ARNYS Forestière ― Appointment Only
"HERMÉS(エルメス)"のバッグというと、端正に構築されたレザーバッグを思い浮かべますが、その一方で同社にはキャンバスや布帛を積極的に取り入れた、軽快で実用的なバッグも数多く存在します。
こちらは"Polochon Mimile(ポロション・ミミル)"のGMサイズ。
鮮やかなルージュカラーのキャンバスを主体に、細いレザーコードを組み合わせた巾着型のショルダーバッグです。
"Polochon"はフランス語で、もともと円筒形のクッションやボルスターを指す言葉。バッグにおいては、筒状あるいは柔らかな袋状のフォルムを持つものに用いられる名称です。本品も芯材によって形を固定する一般的なレザーバッグとは対照的に、キャンバスそのものの柔らかさを活かした構造。中に何を入れるか、どの程度コードを絞るかによって輪郭が変わり、置いた状態と肩に掛けた状態でも異なる表情を見せます。
素材には目の詰まったキャンバスを使用。発色の良い赤でありながら、レザーのような光沢を持たないため、色そのものが過剰に主張しません。キャンバス特有の乾いた質感が鮮やかなルージュを程よく落ち着かせ、日常の装いへ取り入れやすいバランスに仕上がっています。
開口部には複数のメタルアイレットを配置し、その中へ細身のレザーコードを通したドローストリング仕様。ここが非常に面白いところで、一般的なショルダーバッグのように「バッグ本体」と「ショルダーストラップ」を明確に分けるのではなく、開口部を絞るためのコードそのものが長く伸び、バッグを肩から提げるためのストラップとして機能します。
必要以上にパーツを増やさず、ひとつのディテールに複数の役割を持たせる合理的な構造です。
細いブラウンレザーと赤いキャンバスとの色合わせも秀逸です。コードには使用による色の変化が見られ、均一なブラウンではなく、ところどころ濃淡を伴った表情へと変化しています。キャンバスも同様に、使い込むことで僅かな皺や当たりが生まれる素材。完成した瞬間が最も美しいというよりも、使用によって少しずつ馴染んでいくことを楽しめるバッグです。
底部は円形に近い大きなマチを取った構造。平面的なトートバッグとは異なり、荷物を入れることで底から立体的に膨らみ、ポロションらしい袋状のシルエットが現れます。見た目以上に容量を確保できるのも、この構造ならではです。
底の輪郭には淡いベージュ系のパイピングを巡らせています。赤一色で完結させるのではなく、ブラウンのレザーコードとナチュラルカラーのパイピングを加えることで、素材同士の境界をさりげなく強調。この配色によってスポーティーになり過ぎず、エルメスらしい品の良さが残されています。
そして正面下部には、レザーによる楕円形のステッチ。中央にはエルメスを示す"H"の意匠が刺繍されています。
大きなブランドロゴを配置するのではなく、バッグ全体から見ればごく小さなディテールとしてブランドを示す程度。この控えめなバランスも、本品の魅力でしょう。
バッグ内部も外装と同系色でまとめられており、開口部を大きく広げれば荷物の出し入れもしやすい設計。巾着型という古典的な構造を使いながら、日常の道具として非常に合理的に作られています。
実際に肩へ掛けると、その印象はさらに面白くなります。細いレザーコードから大きなキャンバスの袋が吊り下がるため、バッグそのものに独特の落ち感が生まれます。荷物が少なければキャンバスが大きくドレープし、荷物を入れれば底の丸みに沿ってボリュームが現れる。形が決められていないからこそ、持つ人によってシルエットが変わります。
バーキンやケリーのようにエルメスを象徴するレザーバッグとはまったく異なる方向性ですが、素材の選択、パーツの使い方、そして実用性と造形を無理なく両立させている点には、確かにエルメスらしさがあります。
鮮やかなルージュを、使い込めるキャンバスバッグとして日常へ落とし込んだ"Polochon Mimile"。
春夏には軽装のアクセントとして、秋冬にはダークトーンのコートやジャケットに対する差し色としても映える、エルメスのカジュアルバッグの面白さがよく表れた一点です。
■size(cm)
表記サイズ:GM
縦37/横23.5/厚さ23.5/ショルダー70
■textile
Shell:Cotton
■model
■condition
綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
発送まで4日程度頂戴いたします。
【必ずオンラインサイト下部の特定商取引法に基づく表記をお読みになってからご購入ください。】
※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。
新商品やキャンペーンなどの最新情報をお届けいたします。