90's "BALLY" Black Lamb Leather Fly-Front Half Coat Made in ITALY

¥165,000

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1851年、スイス・シェーネンヴェルトにて創業した"BALLY(バリー)"。

元来はリボン製造から始まったブランドですが、創業者Carl Franz Ballyがヨーロッパ視察中に見た高品質な革靴製造に感銘を受けたことで、本格的なレザーグッズメーカーとしての歴史が始まります。
20世紀初頭にはすでに靴、バッグ、トラベルケース、ウェアまで含めた総合ラグジュアリーメゾンへと発展し、レザー製品において極めて高い評価を獲得していました。

BALLYというブランドを語る上で重要なのは、単なるファッションブランドではなく、革を扱う技術集団としての側面です。

フランスのメゾンに見られる装飾性とも、イタリアの色気を前面に押し出したレザーウェアとも異なり、BALLYの製品にはスイスブランドらしい工業製品的な精密さがあります。
縫製、裁断、革漉き、ステッチピッチ、ボタン位置、可動域の設計まで、一見すると控えめでありながら、細部を見るほど異常な完成度に驚かされます。

一見すると非常にシンプルなブラックレザーのハーフコート。
しかし実際に見ると、その何気なさの中に異様なクオリティが宿っています。

過度なデザインを排しながら、レザーの質感、パターンの流れ、フロント構造、襟の立ち方だけで成立させている確かな手腕。
90年代ラグジュアリー特有の、素材そのものの価値を全面に押し出す設計が強く感じられます。

特に印象的なのがフロントのフライフロント構造。
比翼によって前立ての情報量を徹底的に削ぎ落とすことで、ブラックラムレザーの面そのものが前面に現れます。
ボタンや装飾で主張するのではなく、革の質感そのものをデザインとして扱っている点が非常にBALLYらしい部分です。

さらに襟。
小ぶりすぎず、大きすぎない絶妙なバランスで設計された襟は、寝かせた状態ではミニマルな表情を見せつつ、立てた瞬間に一気に空気感が変わります。
高めに設定された襟の構造と、首元までしっかり留まるチンストラップ仕様によって、コートとしての防風性を持たせながら、レザーウェア特有の迫力も獲得しています。
この襟の立体感は、平面的なパターンではまず成立しません。
肩から首にかけての傾斜、襟腰の角度、革の厚み、芯地の分量、その全てが噛み合って初めて成立する形状です。

素材には、非常に上質なラムレザーを採用。
写真からも分かる通り、銀面は極めて細かく、均一で、強い光沢ではなく内側から滲む艶を持っています。
ラムレザー特有の柔軟性によって、着用時には身体の動きに合わせて自然なドレープが生まれますが、一方で過度に薄く頼りない質感ではありません。
適度な厚みと密度を持たせることで、コートとして必要な重量感と構築性を維持しています。
特に90年代前後のラグジュアリーメゾンでは、こうした軽さと重厚感の両立が重要視されていました。
単純に厚い革を使うのではなく、革そのものの質を上げることで、美しい落ち感と耐久性を両立する。
この個体もまさにその延長線上にあります。

裏地にはヴィスコースを採用。
ヴィスコースはレーヨン系素材の中でもドレープ性と滑りに優れており、高級レザーウェアでは非常に理にかなった選択です。
袖通しが滑らかになるだけでなく、レザー特有の重量感を内側から柔らかく受け止める役割も果たしています。
実際、裏地の質感によってレザーコートの着用感は大きく変わりますが、この個体は非常に軽やかです。

シルエットは90年代らしい余白を持ちながらも、極端なオーバーサイズではありません。
肩周りは自然に落ち、身幅には適度なゆとりを確保しつつ、裾へ向かって綺麗に収束していく。
特に秀逸なのが、脇から裾へ走るパネルラインです。
この切り替えによって、レザーコート特有の重さを視覚的に分散しながら、縦方向のラインを強調しています。
バックスタイルも非常に美しく、センターシームを軸に左右対称で構築された面構成は、まるで家具や工業製品のような精密さがあります。

ポケットは斜めに配置されたスラッシュポケット仕様。
手を入れた際の角度が自然で、コートとしての機能性をしっかり考慮した設計です。
さらに前立て裏、内ポケット周辺に至るまでレザーのパイピング処理が施されており、表から見えない部分にもコストが掛けられていることが分かります。
こうした部分にブランドの本質は現れます。

現代のレザーウェア市場では、デザイン過多なアイテムか、逆に極端にミニマルなだけのアイテムが増えていますが、この時代のBALLYはその中間に存在していました。
主張は強くない。しかし、構造、素材、仕立てを見るほど異常に完成度が高い。
だからこそ、長年洋服を見てきた人間ほど、この種のプロダクトに惹かれるのだと思います。
デニムや軍パンに合わせても成立しますし、ウールスラックスやニットの上から羽織れば、一気に90年代ヨーロッパラグジュアリーの空気感が立ち上がる。
着こなしを限定せず、それでいて確実に全体を引き締める力がある一着です。
レザーウェアでありながら、過剰な男臭さに寄りすぎていない点も非常に魅力的でしょう。

BALLYというブランドは、日本国内ではバッグやシューズの印象が先行しがちですが、90年代のレザーウェアには驚くほど完成度の高い個体が存在します。
こちらもその代表例と言えるでしょう。

素材、構造、縫製、パターン、その全てが高水準で噛み合った、素晴らしい逸品です。


■size(cm)
表記サイズ:50
肩幅48/身幅57/着丈83/袖丈66

■textile
Shell:Lamb100%
Lining:Viscose100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

【必ずオンラインサイト下部の特定商取引法に基づく表記をお読みになってからご購入ください。】
※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。

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