"PRADA(プラダ)"が1999年秋冬に提示したユーティリティ解釈のフーディジャケット。
アーカイブ期ならではの機能志向を軸に、軍用由来のディテールをミニマルな構成で束ね、都会的な黒一色に落とし込んだ一着に仕上げています。
多機能でありながら輪郭はすっきり。過剰な装飾に頼らず、プロダクトとしての合理性をそのままデザインへと転化させる手つきが光ります。
カテゴリーは中綿入りのユーティリティパーカ。防風性と保温性を両立し、タフな日常にストレスなく寄り添うアウターです。
——当時の空気をまといながら、いま着ても古びない端正さ。

デザインはMiuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)。
彼女はモードの知性と機能服のリアリティを高次で結び、衣服を「使える思想」として提示してきました。
本作でもその哲学は明解です。均整の取れた直線と曲線、素材のマットな表情、五感にうるさくない色設計。
装う人の動きに従う構造が前提にあり、視覚効果はあくまで結果として現れます。
90年代末のテック感やミリタリー感を引用しながらも、どこかクラシカルに見えるのは彼女の編集眼ゆえ。
流行で終わらない持続性が確保されています。

素材構成はシェルがナイロン72%×コットン28%。
ナイロンの耐久性と軽さに、コットンのしなやかさを加え、マットでわずかに起毛したような手触りを実現しています。
ライニングはポリエステル100%で滑りが良く、中綿もポリエステル100%を充填。
空気を抱き込むふくらみがあり、着膨れしにくい厚みです。
フード裏はシープファー100%を贅沢にライニング。
肌当たりが柔らかく、首元から頭部にかけてしっかり保温します。
フロントは比翼気味に配したセンターのファスナーを基軸に、右胸へ走る縦長のジップ、左胸の斜めジップポケットなど複数の開閉要素をレイヤー。
視線の流れを作りながら、実用収納として機能します。
ウエスト周りにはDリングやユーティリティループを装備し、キーやグローブの一時掛けに便利。
右腰のフラップポケットはスナップ留めで、頻繁に出し入れする小物が収まります。
袖にはジップポケットとベルト状のアジャスターを備え、手首のフィットと風抜けを調整可能。
裾はドローコードで絞り加減を微調整でき、内側の中綿量とのバランスで丸みのあるシルエットから直線的なラインまで自在に変化させられます。

各所のアイレットやリベットは過不足なく配置され、耐久と意匠の両面で効果的。
着丈はヒップが充分に隠れるミドルレンジで、前後差をほとんど設けない端正なプロポーションです。
色はディープブラック。
金具はシルバートーンで統一し、強さはありながら品よく落ち着いたコントラストを描きます。
総重量は見た目より軽く、肩線はわずかに前振り——腕の可動が自然で、長時間の着用でも疲れにくい設計です。
アーカイブの説得力と現行服にはない密度を携えた本品。
ワードローブの核として季節の入口から真冬まで頼りになり、日常に確かな機能と静かな存在感をもたらしてくれます。

■size(cm)
表記サイズ:48
裄丈96/身幅59/着丈86

■textile
Shell:Nylon72% Cotton28%
Lining:Polyester100%
Filling:Polyester100%
Hood-Lining:Sheep Fur100%

■model

■condition
全体的に着用感がございますが、綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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