1891年、フランス中部リモージュに端を発する"J.M. WESTON(ジェー・エム・ウェストン)"は、自社タンナーでじっくり鞣したソールレザーと、頑強なウェルト製法を柱に名声を築いてまいりました。
パリの洒脱と職人の厳格。街を歩き尽くすことを前提にした耐久性と、端正なフォルムを両立させる設計思想。
名作〈180〉ローファーや〈641〉ゴルフ、〈705〉シューズに象徴される、フレンチクラシックの到達点でございます。
履き込むほど足に馴染み、修理を重ねて永く付き合う前提の靴作り。流行よりも品位。WESTONの美学です。

本品は、その美学を黒スエードで体現したスエードローファーでございます。
深い黒の毛足に白のステッチがうっすらと走るコントラスト。
陰影のある佇まいが、足元に静かな存在感を与えます。
スクエア寄りのトウシェイプ、端整なアッパーの切り替え、ペニーストラップの控えめなスリット。
それは線で魅せるフレンチ・ローファーの要諦。
過度な装飾に頼らず、ミリ単位のバランスで上品さを引き出す設計でございます。

素材は柔らかくもコシのあるスエード。起毛の目が細かく、撫でる角度で色がわずかに揺れる上質な表情です。
履き口はパイピングで縁取り、かかとはしっかりとホールド。
踏まずの立体感がアーチを支え、長時間の歩行でも疲れにくい安心感がございます。

ディテールは誠実。均一なステッチピッチ、甲のゆるやかな立ち上がり、ヒールベースの安定感。
履き口の返りも良く、着脱の所作まで美しい。骨格のよさが、足入れの瞬間から伝わります。
アッパーには使用に伴う毛並みの流れやわずかな擦れ、ライニングには着用痕が見られますが、いずれもヴィンテージの風合いとして馴染む範囲。

飾らず、誤魔化さず、つくりと線で語るローファー。
黒スエードの深度、スクエアトウの理知、WESTONの建築的プロポーション。
日常を一段引き上げる実用のエレガンスがここにございます。
長く付き合うに値する、フレンチ名門の確かな一足をぜひご堪能くださいませ。

■size(cm)
表記サイズ:8 1/2, E
ソール全長29.5/底幅10

■textile
Shell:Leather100%

■model

■condition
一部に着用感がございますがとても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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