此度ご紹介するのは、英国軍ミリタリーウェアの歴史において、まさに「伝説」と呼ぶべき存在。特殊空挺部隊SAS（Special Air Service）のために製造された、稀代の名作でございます。
その独自のカモフラージュは、筆のストロークをそのまま布に写し取ったかのような「ブラッシュストロークカモフラージュ」。
北アフリカ戦線やイタリア戦線を想定して開発されたもので、ローラー印刷によって施されたそのパターンは、くすんだ緑と褐色、そして紫がかった色調が織りなす絶妙なコントラストを持ち、戦地における迷彩効果はもちろんのこと、現代の目にはどこかアート的な美意識すら漂わせます。

素材には、ベンタイルクロスを彷彿とさせる摩擦感のある薄手のコットンクロスを使用。
軽快で柔らかく、かつ防風性を備えた“Windproof”仕様は、偵察兵や狙撃兵の活動を支える実用的なディテールです。
そのうえで、ストレートかつ非常にワイドなシルエットが生むドレープ感は、ベルギー軍の類似品とは一線を画す優美さを備えております。

そして本個体は、数あるヴィンテージの中でも異彩を放つ「モディファイ（改造）モデル」。本来のオーバートラウザーズには存在しないベルトループが後付けされ、より日常的な着用を可能にしています。また、フロントは比翼仕立てのボタンフライへと変更され、軍パンの無骨さを保ちながらも洗練された印象へと昇華。
さらに裾にはジッパー開閉仕様が施されており、シューズとの調和やシルエットの調整が容易に行えるのも、当時のオリジナルにはない特筆すべき要素です。

オリジナルの構成としては、ドローコードや裾のアジャスター、両サイドのスラッシュポケット、そして片足にのみ配されたフラップポケットという非常にミニマルな作り。
その潔さが、かえってヴィンテージフリークの心を掴んできました。そこに加わったモディファイのディテールが、稀少性と唯一無二の存在感をさらに高めています。

説明すら躊躇われるの不朽の名作。
その中でも変化を遂げた本個体は、単なる軍の装備品を超え、ミリタリーウェアの持つ可能性と多面性を今に伝える希有な存在です。

■size(cm)
表記サイズ:4
ウエスト98/裾幅17/股上45/股下50

■textile
Shell:Cotton100%

■model

■condition
モディファイ個体にございます。またフロントのボタンも欠損。
その他は画像をご確認下さいませ。

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