1908年、フランス東部イゼール地方でレミー・リシャール＝ポンヴェールが創業した"Paraboot(パラブーツ)"は、ワークとエレガンスを横断する名門シューメーカーです。
1920年代に創業者がアメリカで見聞を広めた際、天然ゴムの靴底に着想を得て自社でもラバーソールの開発を推進しました。
ブラジル・パラー州のゴムとブーツを掛け合わせた名称が"Paraboot"の由来であり、以降は自社製のラバーソールと堅牢な縫製を武器に、街とアウトドアの境界を軽やかに越える靴を作り続けています。
ノルウェイジャン由来の無骨さと、フランスらしい端正なシルエットの同居。
代表作の"Michael(ミカエル)"や"Chambord(シャンボード)"に象徴されるように、実直なつくりと履き心地の良さで多くの支持を得てまいりました。

本品は、クラシックな外羽根ダービー"ARLES(アルル)"のオールドモデルでございます。
プレーントゥの潔い表情に、程よいボリュームのラウンドスクエア気味のノーズが好バランス。
ダークブラウンのアッパーにはコシのあるスムースレザーを採用し、履き込むほどに濃淡が増す味わいが魅力です。
外側にあしらわれたグリーンタグが"Paraboot"らしさをさりげなく主張し、装いに通なニュアンスを添えます。
ソールは厚みのある仕様で、接地感は安定的。
堅牢なステッチによってアッパーとウェルトがしっかりと結ばれ、デイリーに頼れる耐久性を備えます。
履き口のホールドは過度に強すぎず、外羽根ならではのフィット調整のしやすさも利点です。
ライニングは足当たりが柔らかく、長時間の着用でも疲れにくい快適な履き心地。
実用性と上品さ——その両立こそ"Paraboot"の真骨頂と言えるでしょう。

コンディションは年代相応の履き皺や小傷が見られますが、アッパーに致命的なダメージはなく、まだまだ育てがいのある一足。
ソールやヒールはしっかりと厚みを残しており、適切なメンテナンスを重ねながら長くお楽しみいただけます。
丁寧に磨き込めばレザーの表情はさらに深まり、唯一無二の風合いへと育ってまいります。
フランスが誇る"Paraboot(パラブーツ)"の理念を体現する、実直で上質なオールド"ARLES(アルル)"。
ワークにもドレスにも寄り過ぎない絶妙なムードが、日常の装いを確かな足元から支えてくれます。
永く愛用できる普遍の革靴をお探しの方に、自信をもっておすすめいたします。

■size(cm)
表記サイズ:7, D
ソール全長29/底幅11/総高10.5

■textile
Shell:Leather

■model

■condition
全体的に着用感がございますが、比較的綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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