静謐な表現と鋭利な構造美の交差点に立つブランド、"JIL SANDER(ジル・サンダー)"。
ドイツ・ハンブルク出身のジル・サンダー女史が1968年に設立して以来、ミニマリズムという言葉を体現する代表的存在として、世界のファッション地図に確固たる地位を築いてきました。
クラシカルで構築的、それでいて空気のような軽さを備える彼女のスタイルは、90年代のラフ・シモンズやヘルムート・ラングとも呼応しながらも、他のどのメゾンとも一線を画す存在。
その潔癖ともいえる削ぎ落としの精神は、後進のデザイナーたちにも多大な影響を与えています。

レザーシューズの構造美とスニーカーの機動性。
その両者を繊細に交差させるようにして生まれたのが、今回ご紹介する一足。
柔らかくきめ細かな仔山羊革がアッパーに使用され、その質感は指で触れた瞬間に"格の違い"を感じます。

色味は深く沈んだダークブラウン。
黒とは異なる柔らかさがありつつも、決して甘くはなりません。
光の加減で微妙に揺らぐ赤みと影が、レザーならではの奥行きを演出します。

シルエットはローテクスニーカーに近いですが、トゥの形やステッチワークにジル・サンダーらしい緻密さが宿ります。
ラバーソールは滑りにくく、快適な歩行をサポートしながらも、レザーのアッパーと相まって上品な表情を崩しません。

カジュアルな形式のなかに、フォーマルな素材と技術を落とし込む——そうした緻密なバランス感覚が、この一足には見事に結晶化しています。
休日の装いにも、装飾の引き算としての役割にも、都会的な抜け感としても成立する万能な存在。
気取らずに履けて、なおかつ静かにラグジュアリーを香らせる、極めて現代的な一足でございます。

■size(cm)
表記サイズ:9
ソール全長31/底幅11

■textile
Shell:Leather

■condition
保管状況によるダメージがございます。
詳しくは画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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