1970年代イタリアで生まれたこのブレスレットは、実用主義的な構築性と、造形芸術的な感性が見事に溶け合ったプロダクト。
均質でありながら無機質ではない。直線と角、そしてその間にある柔らかな面取り。
イタリアンデザインの美徳が、ひとつひとつのパーツに確かに息づいています。

まず目を奪われるのは、独特な四角形のチェーンリンク。7つの正方形に近いリンクが、等間隔で整然と並ぶ様子は、どこか建築物のファサードを思わせます。
しかしながら、その形状は決して厳格なジオメトリのままにはとどまっていません。
各リンクの角は繊細に丸められ、またエッジには程よい厚みと丸み。
これにより、見た目の硬質さに反して、手に取ったときの印象は驚くほどしなやかで、優しさを感じます。

このリンクの形は、まさに"均整と可動性の融合"とでも呼ぶべき代物。
完全な正方形ではなく、わずかに横長に設計されている点がポイントで、そのわずかな差異が、視覚に流れを生み出しています。
動きのない図形に、動的なリズムが宿る。
これは無意識のうちに、我々の視線を誘導する巧妙な設計と言えるでしょう。

リンク同士を繋ぐのは、短く太い矩形のジョイントピース。
それらはまるで橋脚のように、スクエアリンク同士を支え、関係性を築いています。
この構造のおかげで、ブレスレット全体に可動性が生まれ、関節のように滑らかな可動を可能に。
無骨な外観に反し、実際の装着感は非常に柔らかく、腕の動きにしなやかに馴染みます。
重厚な見た目と、しなやかな可動。
この対比が、このブレスレットに特有の魅力を生み出しています。

スクエアというフォルムは、一般的には硬質で、機械的な印象を抱きますが、このブレスレットではその枠を超えて、人間的な温度をもって語りかけてきます。
リンクのサイズ感、丸められたエッジ、接続部分の絶妙なバランス。
すべてが計算され尽くしていながら、その痕跡を見せないナチュラルさ。
建築的でもあり、彫刻的でもあり、さらには機械的。
構造に宿る美、形状に込められた思想、そして時の流れによって生まれた深み。
それらがすべて折り重なり、この一本を逸品たらしめています。

■size(cm)
全長18.5

■textile
Main:Silver 925

■condition
目立った傷等はございません。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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