まるで波打つ鏡のように。
あるいは溶けかけた彫刻のように。
このブレスレットは、“整えること”を拒み続けた者だけが辿り着く、静謐な美しさを放っています。

重力や圧力、偶発的な造形の果てに生まれたような、自然と工芸の境界線を彷徨う有機的なフォルム。
その“ねじれ”は、乱れではなく意思。
無数の反射面が乱反射し、陰影のリズムが見る角度によって揺れ続けます。

このブレスレットにおいて顕著なのは、重厚でありながらも、どこか漂うような浮遊感。
構成されるプレート一つひとつは、ボリュームと軽やかさ、緊張と弛緩の間を絶妙に揺らぎながら連なっています。

70年代のイタリア。
それはデザインと工芸の融合が最も豊かに花開いた時代のひとつ。
インダストリアルデザインの洗練と、職人技の温度とが奇跡的に共存したこの時代にこそ、こうした造形が生まれる素地がありました。

“整うこと”への反抗ではなく、“整えること”すら包摂してしまう柔軟さと大胆さ。
ねじれた面に宿る光と影は、1日のうちにも変化します。
朝の柔らかな光のもとでは静かに鈍く輝き、夜の人工照明の中ではまるで水面のように反射する。

時間の経過、季節の移ろい、気分。
それぞれがこのブレスレットの表情を変え、着ける人の一部として共鳴していく。

ジュエリーというのは、本来“記号”ではなく、“記憶”を繋ぐもの。
このブレスレットを選ぶことは、個性ではなく姿勢を選ぶこと。
他の誰とも似ていない“歪み”に共鳴し、それを自分の中の静かな信念と重ねるようにして手首に巻く。
そんな時、時代を越えて届いた“造形のささやき”が、また新しい物語を語り始めることでしょう。

■size(cm)
全長21

■textile
Main:Silver 925

■condition
目立った傷等はございません。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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