それはまるで、機械仕掛けの詩。
このブレスレットには、五感のどこにも当てはまらない、静かな衝撃があります。

1950〜60年代、戦後の復興とともに芸術もまた新たな形を模索していたフランス。
インダストリアルとアート、機能と感性、その狭間で生まれた造形美が、ジュエリーにも静かに浸透していきます。
このリンクブレスレットは、まさにその時代の空気を濃密に閉じ込めた、無名の彫刻。

連なった楕円形のリンクは、まるで工業用パーツを美へと昇華させたようなデザイン。
ひとつひとつのリングに施された複数の細かなバンド状のディテールが、金属という素材に表情を与え、まるでリズムを刻む音符のように連なっています。
機械的でありながら有機的。その二律背反の美しさが、このブレスレットの核心にあります。

手に取ればすぐにわかる、その“重量感”と“温度”。

Silver925ならではのずっしりとした重みは、アクセサリーというよりも身体に刻まれる記憶装置のよう。
冷たく感じるはずの金属が、触れているうちに体温を帯び、まるで呼吸を始めるかのように馴染んでゆく。
金属の中に眠る“時”が、肌の上で静かに目を覚ますのです。

表面は決して鏡面仕上げではなく、わずかにマットで使い込まれたテクスチャーが残ります。

粗野すぎない、そのギリギリのバランス感覚は、1950〜60年代のフランス的な美意識のひとつ。モードでもアヴァンギャルドでもなく、ただ静かに“強いもの”を作ろうとした職人の矜持が、リングの一つ一つに宿っています。

流行に抗うでもなく、主張しすぎるでもなく、「在る」ことそのものを受け入れるような姿勢。
そうした思想が、このブレスレットにも通底しています。

この造形は決して華美ではありません。
けれども、スタイリングに取り入れた瞬間、全体の印象をひとつ引き締め、確かな重心をもたらす。シンプルなシャツの袖口に添えれば、手元から放たれる静かな緊張感が全体に波紋のように広がることでしょう。

この一本は時代に寄り添いながら抗うための、静かな装身具。
装飾ではなく、存在そのものを選ぶための一点でございます。

■size(cm)
全長19.5

■textile
Main:Silver 925

■condition
目立った傷等はございません。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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