ARNYS Forestière ― Appointment Only
イタリアを代表するラグジュアリーブランド"PRADA(プラダ)"が1990年代後半より本格的に展開した、スポーツライン"PRADA SPORT(プラダ・スポーツ)"より、GORE-TEXファブリックを採用した2000年代頃のスタンドカラージャケットをご紹介いたします。
現在では"PRADA LINEA ROSSA(プラダ・リネア・ロッサ)"として知られる同ラインは、1997年に誕生。スポーツウェアやアウトドアウェアに求められる機能性を、プラダ独自の洗練されたデザインへと落とし込んだコレクションとして展開されました。高度な機能素材と実用的なディテールを取り入れながら、一般的なスポーツウェアとは一線を画す都会的な佇まいを追求したことが、その大きな特徴です。特に1990年代後半から2000年代にかけてのアイテムは、テクニカルな素材使いとミニマルなデザインが共存しており、現在のファッションシーンにおいても高い評価を受けています。本作は、そうした当時のプラダスポーツが得意とした機能性と造形美を、端的に表現した一着です。
最大の特徴は、GORE-TEXファブリックを用いた高機能なシェルと、身体に沿うように設計された立体的なパターンワーク。GORE-TEXは、防水性・防風性・透湿性を備えた機能素材として知られ、アウトドアウェアや本格的なスポーツウェアにも採用されてきた素材です。プラダスポーツでは、こうした本来アウトドア用途で発展した素材を、日常的なファッションアイテムへと昇華させています。
表地にはポリエステル100%の素材を使用。滑らかな質感と控えめな光沢が特徴で、無機質になりすぎない上品な表情に仕上げられています。カラーリングは、グレーにベージュやブラウンを含ませたような落ち着いたニュアンスカラー。光の当たり方や生地の重なりによって濃淡が生まれ、単色でありながら奥行きのある表情を楽しむことができます。ブラックを基調としたアイテムが多く見られるプラダスポーツの中でも、こうした中間色の美しさは、ブランドの優れた色彩感覚を感じさせる部分です。
フロントには上下両方向から開閉可能なダブルジップを採用。首元まで閉じることでシャープなスタンドカラーのシルエットを形成し、裾側のジップを開放することで、着用時の可動域やシルエットに変化を加えることができます。
襟は高さを抑えたコンパクトな設計ながら、首元を自然に包み込む立体的な構造。
さらに特筆すべきは、襟の内側にウール100%のリブを配置している点です。外側の機能的な化学繊維に対し、肌に触れる襟裏には温かみのある天然繊維を採用。質感の異なる素材を適材適所に使用することで、機能性だけでなく、着用時の快適性にも配慮されています。襟を開いて着用した際にはウール素材がさりげなく覗き、同系色でありながら異なる質感が、首元に奥行きを与えます。
また、内部にはポリエステル100%の中綿を封入。一般的な一枚仕立てのシェルジャケットとは異なり、適度な保温性を備えた構造となっています。中綿によって生まれる自然な膨らみは、ジャケット全体のシルエットにも影響を与え、身体に沿いすぎない立体的なフォルムを形成しています。
フロントには胸元から裾にかけて、縦方向のラインを強調する大きな切り替えを配置。左右対称に設計された曲線的なステッチワークが特徴で、ポケット部分もこの切り替えに沿うように構成されています。装飾的なパーツに頼ることなく、生地の切り替えそのものによってデザインを成立させている点は、当時のプラダスポーツらしい設計といえるでしょう。
肩周りは自然な丸みを持たせながら、袖にかけて緩やかに落ちるシルエット。
袖の外側にも縦方向のシームを設けることで、腕のラインをすっきりと見せながら、着用時の立体感を生み出しています。
背面には肩甲骨付近を横断するように、フラップ状の切り替えを配置。スポーツウェアやアウトドアウェアを想起させるディテールでありながら、全体のデザインに自然に溶け込んでいます。
また、背面の縦方向のシームや、随所に配置された細かなステッチワークも特徴的です。複雑なパターン構成を採用しながら、外観は極めてシンプルにまとめられており、機能的な衣服を美しく見せるための工夫が随所に感じられます。
内部にはGORE-TEXのブランドタグに加え、プラダスポーツ特有の赤いラインを配したブランドタグを配置。
さらに、プラダのロゴが刻まれたメタルパーツなど、細部にも当時のコレクションらしい意匠が見られます。
こうした小さなディテールは、機能性を前提としながら、ラグジュアリーブランドとしての完成度を追求してきたプラダの姿勢を感じさせます。
着丈は腰周りを自然に覆う程度のバランスで、一般的なショートブルゾンよりもやや落ち着いた印象。過度にボリュームを持たせないシルエットのため、ワイドスラックスやウールトラウザーズ、デニムなど、様々なボトムスと好相性です。特にブラックやチャコールグレーのスラックスと合わせることで、テクニカルな素材の質感が際立ち、洗練されたスタイリングに仕上がります。また、カシミヤニットやウール素材のパンツなど、天然繊維を使用したアイテムと組み合わせることで、素材同士のコントラストを楽しむこともできます。
スポーツウェアとしての合理性を出発点としながら、都会的なファッションへと昇華させた2000年代のプラダスポーツ。
GORE-TEXによる機能性、ウールを使用した襟裏、中綿入りの構造、そして精緻なパターンワーク。
それぞれの要素が過不足なく組み合わされ、シンプルな外観の中に高い完成度を備えた一着です。
時代に左右されにくい普遍的なデザインでありながら、当時ならではの実験的な素材使いを感じられる、プラダスポーツの魅力が凝縮されたジャケットとなっております。
■size(cm)
表記サイズ:46
裄丈87/身幅53/着丈70
■textile
Shell:Polyester100%
Filling:Polyester100%
Details:Wool100%
■model
■condition
綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
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