ARNYS Forestière ― Appointment Only
1981年、Giorgio Armani(ジョルジオ・アルマーニ)によって設立された"EMPORIO ARMANI(エンポリオ・アルマーニ)"。イタリアンテーラリングの伝統を背景に、身体の自然な動きを尊重した柔軟な構築と、装飾に依存しない洗練された造形を提案してきたブランドです。
今回ご紹介するのは、2000年代頃に製作された、ゴートレザーを使用したマオカラージャケット。
本品の特徴は、東洋的な衣服の構造を思わせるマオカラーと、身頃全体に施された独特の切り替え、そして金属製の留め具によって構成されたフロントデザインにあります。首元に沿うように設計された低い立ち襟は、一般的なテーラードジャケットのラペルとは異なり、首から肩にかけての輪郭を端正に描きます。前立てには小ぶりな金属製の留め具を等間隔に配置し、ブラックレザーの表情に控えめなアクセントを加えています。
素材には、細かなシボと適度な張りを備えたゴートレザーを採用。山羊革特有の緻密な繊維構造によって、比較的薄手でありながら強度を確保しやすく、身体の動きに応じて自然な皺が生まれることも魅力です。表面には革本来の不均一な質感が残されており、均質に整えられたレザーとは異なる豊かな陰影が見受けられます。
また、裏地を設けないアンライニング仕様も、本品を特徴づける重要な要素です。一般的なレザージャケットに見られる裏地を省略することで、革そのものの質感を内側からも感じられる構造となっており、軽快な着用感と素材の柔軟性を引き出しています。
デザイン面では、身頃の中央付近を横断する水平の切り替えと、袖の中ほどに走る曲線的なシームが印象的です。これらの切り替えは、単なる装飾ではなく、平面的な革素材を立体的な衣服へと構築するための意匠として機能しています。特に袖部分の曲線的なパターンは、着用時の腕の輪郭に変化を与え、簡潔な外観の中に独自の造形美を生み出しています。
腰元には縦方向のポケットを配し、フロントの金具や切り替え線とともに、全体を直線と曲線の組み合わせによって整理しています。ミリタリージャケットやライダースジャケットのような明確な用途を示すディテールを抑えながら、レザーウェアとしての力強さと、テーラリングに通じる端正な佇まいを両立させた一着です。
Giorgio Armaniが一貫して追求してきた、衣服と身体の関係性を重視する設計思想。その美意識が、伝統的なジャケットの形式にとらわれないレザーウェアとして表現されています。
2000年代のEMPORIO ARMANIに見られる、素材の選択とパターンの工夫によって個性を成立させるアプローチを感じ取れる逸品です。
■size(cm)
表記サイズ:50
肩幅47/身幅56/着丈67/袖丈65
■textile
Shell:Leather100%
■model
■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
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