ARNYS Forestière ― Appointment Only
1846年、スペイン・マドリードの革職人たちによる工房を起源とする"LOEWE(ロエベ)"。
現在ではウェアからバッグ、シューズまで幅広く展開するメゾンですが、その歴史の中心には常に革があります。とりわけバッグを見ると、時代ごとに形やデザインは変化していても、素材そのものの質感を生かすというブランドの得意分野がよく表れています。
今回ご紹介するのは、オリーブカラーのスエードとブラックレザーを組み合わせたショルダーバッグ。
まず目を惹くのは、この独特な色です。ブラウンともカーキとも異なる、やや灰色を含んだオリーブ。スエード特有の毛足によって、光を受けた部分はベージュやグレージュのように明るく、毛が寝た部分は焦茶や深いカーキのように見えます。単純な「緑」では説明しきれない複雑な色合いです。
正面下部には、スエードと同色でアナグラムを型押し。
4つの"L"を組み合わせたこのモチーフは、デザイナーのVicente Velaによって1970年に生み出されたものです。その着想源となったのは、上質な革を識別するために使用されていた焼き印。つまり装飾として後から付け加えられたロゴというより、LOEWEの革製品としての歴史そのものを図案化したものと言えます。
今回のバッグでは、それを金具や異素材で目立たせるのではなく、スエードへ直接エンボス。毛足の中へ沈み込むようにアナグラムが入っているため、正面から見ても強く主張しません。
形は、横長のショルダーバッグを基本としながら、両サイドが外側へ膨らむ独特なシルエット。底部にはある程度の横幅を持たせつつ、開口部に向かって僅かに絞られており、直線だけでは構成されていません。物を入れた際にもスエードが自然に膨らみ、柔らかな曲線が現れるつくりです。
そこへ縦方向にブラックレザーのストラップを走らせています。この黒いラインが非常に重要で、柔らかなオリーブスエードだけでは輪郭が曖昧になりそうなところを、左右のブラックレザーが視覚的に引き締めています。そのレザーが途中で途切れることなくショルダーストラップへと繋がって見えるため、バッグ本体と持ち手を別々のパーツとして考えるのではなく、一続きの線としてデザインしたような構成です。
ストラップ自体にも十分な幅があります。細いストラップで女性的にまとめるのではなく、革の面積をしっかり取った平たいショルダー。そのため実際に肩へ掛けた際にも収まりが良く、バッグ本体のボリュームとのバランスも取れています。
さらに片側にはスクエア型のゴールドカラーのバックル。四隅にビスのような意匠を配した、かなり直線的な金具です。ストラップには調整機構が設けられており、バックル下には余った革を収めるループも配置。先端を角型に処理したレザーパーツまで含め、馬具を思わせるような実用品としての構造がデザインとして表に出ています。
開口部は大きく弧を描くライン。直線的なトートバッグとは異なり、中央が緩やかに落ち込むことで、肩に掛けたときに腕の下へ自然に収まります。内部はレザーで構成され、開口部中央にはマグネット式の留め具。内側にはファスナー付きポケットも設けられています。そのファスナーの引き手にまで小さなアナグラムを配置しているのが良いところ。外側では型押しでほとんど目立たせず、内側でもファスナー金具の先端に小さくブランドの記号を残す程度。内装には"LOEWE"の刻印も確認できます。
底面にはブラックレザーを大きく使用。外から見たときにはスエードが主体ですが、地面や衣服と接触しやすい底、ショルダーストラップ、開口部など、負荷が集中する箇所にはスムースレザーを配置しています。
革製品を原点とするLOEWEらしさを、日常的に使えるショルダーバッグという形で素直に感じていただける一品です。
■size(cm)
表記サイズ:表記なし
縦23.5/横36.5/厚さ8/ショルダー60.5
■textile
Shell:Leather
■model
■condition
使用感はございますが、綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
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