ARNYS Forestière ― Appointment Only
1990年代、Tom Fordが手掛けたGUCCIによるスエードレザーのハンドバッグ。
1921年、Guccio Gucciによってフィレンツェで創業したGUCCI。
創業当初からラゲージやレザーグッズを中心に発展し、乗馬の世界から着想を得た意匠を数多く取り入れてきたメゾンとして知られています。
その代表的なモチーフのひとつが「Horsebit」。
馬具の轡をモチーフとしたダブルリングとバーから構成される意匠で、1953年に発表されたホースビットローファーによって、GUCCIを象徴するデザインコードとして広く知られるようになりました。
こちらは、そんなGUCCIの伝統的な乗馬のコードを、Tom Fordらしい抑制されたデザインへと落とし込んだハンドバッグ。
素材には、柔らかな起毛感を持つエクリュカラーのカーフスエードレザーを使用しています。
ホワイトほど明るすぎず、ベージュほど黄味の強くない絶妙なエクリュカラー。
スエード特有の細かな毛並みによって光の受け方で濃淡が変化し、単色でありながら奥行きのある表情を見せます。
デザインそのものは非常にシンプル。
横長のボディに対して長めのハンドルを設け、バッグ本体には大きなロゴやGGモノグラムといった分かりやすい装飾をほとんど用いていません。
その代わりに、このバッグを特徴付けているのがハンドルの付け根に配されたメタルパーツ。
GUCCIを象徴するホースビットを想起させるリング状のメタルパーツにレザーを通し、ハンドルとバッグ本体を接続する独特な構造となっています。
単純に金具を装飾として取り付けるのではなく、バッグの構造そのものへ組み込んでいる点が非常に秀逸。
さらにバッグ両端にもレザーを巻き込むようなディテールが設けられ、正面から見た際には金具とレザーによる水平のラインがアクセントとして現れます。
こうした装飾を必要最小限に抑えたデザインは、1990年代のTom FordによるGUCCIを象徴する美意識ともよく重なります。
Tom Fordは1994年にGUCCIのクリエイティブ・ディレクターに就任。
それまでのメゾンが持っていた乗馬文化やレザーグッズの伝統を残しながら、よりシャープで官能的、そして都会的なスタイルへとGUCCIを再構築していきました。
今回のバッグにも、そうした時代ならではの魅力を感じていただけます。
ボディは極端に構築的な形ではなく、スエードの柔らかさをそのまま活かした仕立て。
荷物を入れることで中央部分に自然な落ち感が生まれ、直線的なハンドルやメタルパーツとの対比によって美しいシルエットを作ります。
また、長めに設定された二本のハンドルによって、手持ちだけでなく肩へ掛けやすいバランスになっている点も魅力。
小型のドレスバッグほどかしこまらず、大型のトートほどカジュアルでもない、日常的に使いやすい絶妙なサイズバランスです。
何より魅力的なのは、エクリュのスエードという素材選び。
ブラックやダークブラウンのレザーであれば、より力強く重厚な印象になるデザインですが、柔らかなエクリュカラーを採用することで、メタルパーツの硬質さが中和されています。
春夏にはリネンやコットン、秋冬にはウールやカシミヤと合わせても自然に馴染み、一年を通してスタイリングへ取り入れやすい色味です。
また、スエードは毛並みの方向や使用によって表情が変化していく素材。
均一な表情を保つスムースレザーとは異なり、使い込むことで部分的な濃淡や毛並みの変化が生まれ、それ自体がバッグの表情となっていきます。
大きなブランドロゴではなく、素材、プロポーション、そしてホースビットを想起させるメタルディテールによってGUCCIであることを表現した一品。
華美な装飾を加えず、メゾンが長く受け継いできた乗馬のコードを現代的なバッグへと再構成する。
1990年代のTom FordによるGUCCIだからこそ成立した、非常に完成度の高いデザインです。
エクリュのカーフスエードが持つ柔らかな表情と、メタルパーツの硬質な質感。
その対比を楽しんでいただきたい、OLD GUCCIの中でも現在のスタイリングに取り入れやすいハンドバッグです。
■size(cm)
表記サイズ:
縦28/横31/厚さ11/ショルダー60
■textile
Shell:Lether
■model
■condition
綺麗なコンディションです。
その他は画像をご確認下さいませ。
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