80's "LOEWE" Suède Oversized Shirt Jacket

¥165,000

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1846年、スペイン・マドリードでその歴史をスタートさせた"LOEWE(ロエベ)"。
皮革製品をルーツに持つメゾンとして長い歴史を有し、バッグや革小物のみならず、ウェアにおいてもレザーという素材を巧みに取り入れてきました。なかでも古いLOEWEのレザーウェアには、現代のラグジュアリーブランドが作る端正なレザージャケットとは異なる面白さがあります。革そのものの質を前面に押し出しながら、テーラード、ブルゾン、シャツ、コートといった既存の洋服の形へ落とし込む。その結果、革製品でありながら重厚さだけに頼らない、非常に自由なウェアが数多く残されています。

こちらは1980年代頃のLOEWEによる、ブラックスエードを使用したオーバーサイズのシャツジャケット。

まず特筆したいのが、その素材です。一般的にスエードを用いたジャケットと聞くと、ある程度の厚みや重量があり、ブルゾンやコートに近い着用感を想像します。しかし、こちらはそのイメージとは大きく異なります。
使用されているスエードは驚くほど薄く削がれており、革であることを一瞬忘れてしまうほど軽快な質感。裏地を設けない一枚仕立てとすることで、その薄さと柔らかさを最大限に活かしています。実際に袖を捲って着用できるほどしなやかで、レザージャケットというよりも、むしろ布帛のオーバーシャツに近い感覚で扱うことのできる一着です。この「革なのにシャツとして着られる」という点が、本品の大きな魅力でしょう。
スエード表面には細かな毛羽があり、光を均一に反射する一般的なスムースレザーとは異なり、見る角度や毛並みによってブラックの濃淡が変化します。黒一色でありながら平面的には見えず、身体が動くたびに墨黒から深いブラックまで微妙な表情が生まれる。独特のムラはプリントなどによる装飾ではなく、スエードという素材そのものが持つ表情です。

そして、この繊細な素材感と同じくらい魅力的なのが、1980年代という時代を感じさせるシルエット。肩を大きく落とし、身幅にも十分な余白を持たせたオーバーサイズの設計で、身体の線に沿わせるというより、大きな一枚の革を身体から離して纏うようなバランスになっています。着丈もしっかりと取られており、一般的なシャツジャケットよりもハーフコートに近いボリューム。一方で素材そのものが極めて薄く柔らかいため、サイズの大きさがそのまま重量感には繋がりません。着用すると肩から自然に生地が落ち、脇から裾にかけて大きなドレープが生まれます。

特に印象的なのが、前身頃の構成。胸元には左右それぞれ大きなパッチポケットを配置。装飾的なディテールを加えるのではなく、革の面積とステッチによってデザインを成立させています。ポケット口にも過剰な補強や金属パーツは見られず、スエードの柔らかさを損なわない簡潔な作り。大きな身頃に対してポケットも大きく設定されているため、オーバーサイズでありながら各パーツの比率が崩れず、非常に完成度の高いバランスに仕上がっています。

襟は比較的小ぶりなレギュラーカラー。大きな身幅に対して襟だけを必要以上に主張させないことで、全体がワークジャケットのように見えすぎず、LOEWEらしい品のある佇まいが残されています。

フロントにはブランド刻印の入ったボタンを採用。ブラックスエードに馴染むダークトーンのボタンによって、遠目には装飾をほとんど感じさせません。近づいて初めてLOEWEの意匠に気付く程度の控えめな存在感も、このジャケットにはよく似合っています。

また、裏地を省略した構造だからこそ、革の処理そのものにも目が向きます。通常、レザーウェアは裏地によって革の裏側や縫製部分を覆うことができますが、一枚仕立てではそれができません。素材を薄く整えながら、衣服として成立させるための縫製精度も要求されます。単純に「裏地がないから軽い」のではなく、裏地を必要としない状態まで革を薄く、柔らかく仕上げていること自体が、この一着の特徴です。

袖口にはボタンを備えていますが、前述した通り革が非常に薄いため、ボタンを外してラフに袖を捲ることも可能。シャツのように袖を捲り、インナーを覗かせて着用した際には、レザーウェア特有の構えた印象が大きく薄れます。
Tシャツやタンクトップの上からそのまま羽織るだけでも成立し、気温に応じてニットやシャツを挟むこともできる。レザーでありながら、スタイリングの自由度は非常に高い一着です。

そして何より興味深いのは、この服が「レザージャケットらしく見せる」ことを目的としていない点でしょう。ライダースのような金属パーツも、フライトジャケットのようなリブもなく、レザーコートのような重厚な構築性もありません。
形だけを見れば、極めてシンプルなシャツジャケット。
しかし、それをLOEWEが得意とするスエードで作ることによって、布帛では生まれない落ち感と陰影が加わっています。

1980年代のファッションには、現代のオーバーサイズとは少し異なる独特のプロポーションがあります。単純にサイズを大きくするのではなく、肩、身幅、袖、着丈それぞれに大胆な分量を持たせながら、素材の落ち方によって身体との関係を作る。
こちらもまさに、その年代ならではの造形を感じられる個体です。
現在の感覚で見ても十分にオーバーサイズですが、不自然に誇張された印象はありません。

前を開ければ縦方向へ長くラインが落ち、ボタンを留めれば大きな面としてスエードの質感が現れる。
片手をトラウザーズのポケットへ入れ、身頃を軽く持ち上げるだけでも大きなドレープが生まれます。
これは厚い革では成立しにくい表情です。

袖を捲り、シャツのようにラフに。
あるいは前を閉じ、大きなブラックスエードの面を活かしてジャケットとして。

レザーウェアでありながら着方を限定せず、季節の変わり目にはアウターとして、冬にはコートの内側にも取り入れられる柔軟性があります。

革を得意とするメゾンが、その革らしさを必要以上に主張するのではなく、一枚のシャツのような軽さへと変換した非常に魅力的な一着です。
古いLOEWEのレザーウェアの中でも、素材とシルエットの双方に年代特有の面白さを感じていただけることでしょう。

■size(cm)
表記サイズ:50
肩幅55/身幅64/着丈82.5/袖丈62

■textile
Shell:Leather100%

■model

■condition
着用感はございますが、綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

【必ずオンラインサイト下部の特定商取引法に基づく表記をお読みになってからご購入ください。】
※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。

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