ARNYS Forestière ― Appointment Only
2024年製、"HERMÈS(エルメス)による"Chaîne d'Ancre(シェーヌ・ダンクル)"MMサイズのシルバーブレスレット。
数多くの名品を生み出してきたHERMÈSのジュエリーにおいて、最も象徴的な存在のひとつであり、メゾンの歴史を語る上でも欠かすことのできないシェーヌ・ダンクル。
その誕生は1930年代まで遡ります。
HERMÈS公式によれば、1937年、Robert Dumas(ロベール・デュマ)がノルマンディーの海岸を歩いていた際、停泊する船を繋ぎ留める錨の鎖=アンカーチェーンに着想を得たことが始まり。翌1938年には最初のシルバー製シェーヌ・ダンクル・ブレスレットが製作されました。現在に至るまで素材や形を変えながら繰り返し再解釈されている、80年以上の歴史を持つデザインです。
"Chaîne d'Ancre"という名称も、フランス語でそのまま"錨の鎖"を意味します。
HERMÈSといえば1837年に馬具工房として始まったメゾンですが、シェーヌ・ダンクルは馬具ではなく、海洋の世界に存在する機能的な造形から生まれたもの。装飾を目的として作られた形ではなく、巨大な船を繋ぎ留めるための鎖という極めて実用的なものから、美しい輪郭を抽出してジュエリーへ転換している点が非常にHERMÈSらしいところです。
本品は、そのシェーヌ・ダンクルを最も純粋な形で楽しむことのできるブレスレット。
特徴となるのは、やはり一つひとつのリンクです。
横長の楕円形を基本としながら、その中央を一本のバーが横断する独特の構造。単なるオーバルチェーンとは異なり、船舶に用いられるアンカーチェーンの構造を思わせる造形が、そのままジュエリーとして成立しています。
リンク単体で見ると非常に簡潔です。
円弧と直線。
ほとんどそれだけで構成されているにもかかわらず、連続させることで一目でシェーヌ・ダンクルと認識できるほど強い個性を持っています。
さらにリンク同士は90度近く向きを変えながら連結されるため、ブレスレットを平面に置いた状態と、実際に腕へ巻いた状態とでは表情が大きく異なります。
リンクが立体的に回転しながら手首を取り囲み、丸みを帯びたシルバーの輪郭へ光が当たることで、ひとつひとつ異なる反射が生まれます。シルバーそのものに十分な厚みを持たせながら、中央には大きく空間を取った構造。そのためボリュームのあるシルバーブレスレットでありながら、金属の塊のような重苦しさを感じさせません。
そして本品はMM=Medium Model。
より大型のGMやTGMほど強く主張することなく、一方で小型のモデルほど繊細になり過ぎない。
シャツやニットの袖口から僅かに覗かせても成立し、半袖でブレスレット全体を見せても十分な存在感があります。シェーヌ・ダンクル特有のリンク構造をしっかりと視認できながら、日常の装いへ自然に馴染ませやすいサイズです。
素材にはSilver 925/1000、スターリングシルバーを使用。
シルバー925ならではの白く強い光沢と、丸みを帯びたリンクとの相性も非常に良く、磨かれた表面に光が走ることでシェーヌ・ダンクル特有の立体構造が際立ちます。
一方でシルバーという素材は、使用していくことで細かな擦れや酸化による色調の変化が現れます。
新品時の均一な輝きだけではなく、年月とともにリンクの奥や接合部分へ陰影が生まれ、造形がより明確になっていくこともシルバージュエリーの魅力でしょう。
そしてシェーヌ・ダンクルを象徴するもう一つの要素が、Tバーによるクラスプです。片側に大きなサークル、反対側に横長のバーを設け、バーをサークルへ通して固定する非常にシンプルな構造。通常のジュエリーであれば留め具は可能な限り目立たないよう設計されることも多いですが、シェーヌ・ダンクルでは逆です。大きなリングとTバーを明確に見せることで、クラスプそのものをデザインの中心的要素にしています。
このTバーもまた、リンクと同様に円と直線という単純な幾何学から構成されており、ブレスレット全体の造形と自然に繋がっています。
留め具でありながら装飾であり、装飾でありながら機能を持つ。
シェーヌ・ダンクルというジュエリーの完成度を象徴するディテールです。
今回はHERMÈS純正のオレンジボックスが付属。
写真にあるように、HERMÈSを象徴するオレンジのボックスとともに保管されていた個体です。ブレスレット単体としての魅力はもちろん、付属品を含めて所有できる点も嬉しいところ。
1937年にRobert Dumasが海岸で目にしたアンカーチェーン。
そこから抽出された楕円と一本のバー。
1938年にシルバーブレスレットとして形になり、その基本構造を維持しながら80年以上にわたって作り続けられてきました。
馬具から始まったHERMÈSが培ってきた、用途のあるものを美しい形へ昇華させる感覚が、これほど端的に現れたジュエリーも多くありません。
特にMMは、その歴史的なデザインを日常的なスケールで楽しめる絶妙なサイズ。
太さだけで存在感を作るシルバーブレスレットとは異なり、リンクの反復、空間、丸み、直線、そしてTバーという構造そのものによって手元を成立させます。
テーラードジャケットやシャツ、上質なニットと合わせるのはもちろん、ヴィンテージのリネンやミリタリー、シンプルなカットソーへ一点だけ合わせても美しい。
長い歴史を持ちながら、現代の装いの中でも全く違和感を覚えさせないことこそ、シェーヌ・ダンクルがHERMÈSを代表するジュエリーであり続ける理由のひとつでしょう。
純正ボックスまで揃った、2024年製の"Chaîne d'Ancre"MM。
HERMÈSというメゾンの歴史と、シルバージュエリーとしての造形美、その双方を最も分かりやすく味わうことのできる一本です。
■size(cm)
表記サイズ:MM, 13コマ
全長18.5
■textile
Shell:Silver925
■model
■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
発送まで4日程度頂戴いたします。
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