ARNYS Forestière ― Appointment Only
1921年、Guccio Gucciによってフィレンツェで創業した"GUCCI(グッチ)"。馬具製造に由来するホースビットやウェブストライプ、バンブーなど、ブランドを象徴する意匠を数多く生み出してきましたが、ジュエリーにおいてもイタリアの銀細工の伝統を背景に、素材そのものの存在感と造形を活かしたプロダクトを展開してきました。
こちらは、そうしたGUCCIのシルバージュエリーの中でも、ブランドロゴを前面に押し出すのではなく、構造そのものをデザインとして成立させた一本です。
最大の特徴は、バングル全体に連続するスクエア状のオープンワーク。上下に走る二本のラインを短い垂直のバーで繋ぎ、四角形の空間を一定のリズムで連続させた、まるで梯子や建築物のフレームを思わせる構成です。一般的なシルバーバングルのように金属の面積や重量感によって存在感を作るのではなく、「抜け」を設けることで形を浮かび上がらせている点が非常に印象的です。
正面から見ると幾何学的で端正な印象ですが、腕に通すことでスクエアの一つひとつから肌が覗き、シルバーと肌とのコントラストが生まれます。
幅のあるバングルでありながら重たく見えにくいのも、このオープンワークならでは。金属そのものと、その間に存在する余白をほぼ同等に扱うことで、ボリュームと軽快さを両立しています。
また、スクエアの形状が完全に装飾的なものではなく、極めてシンプルな直線の組み合わせによって構成されていることも魅力です。
GUCCIというと動植物のモチーフやホースビット、インターロッキングGなど、一目でブランドを認識できるアイコニックなジュエリーも数多く存在しますが、本品はそれらとは異なる方向性。ロゴに頼ることなく、プロポーションと構造だけで個性を持たせています。そのため、GUCCIのジュエリーでありながら非常に匿名性が高く、ヴィンテージのシルバージュエリーやコンテンポラリーなプロダクトとも自然に馴染みます。
横から眺めた際にも面白く、手首に沿って湾曲する二本のラインと、それらを繋ぐバーによって立体的なフレームが形成されています。一枚の銀板を単純に湾曲させたバングルとは異なり、視線の角度によって奥側のフレームが覗くため、平面的な幾何学模様でありながら立体感があります。着用時には手首の動きに合わせて光を拾う部分と影になる部分が細かく入れ替わり、ブラックアウトされたスクエア部分とシルバーの輪郭が明確に浮かび上がります。
素材には"Silver 925(スターリングシルバー)"を使用。925シルバーは銀92.5%を主体とした合金で、純銀の美しい色調を残しながら、ジュエリーとして必要な強度を確保した素材です。本品のように細いフレームによって形を構成するデザインでは、素材そのものの質感がそのまま造形の印象へと繋がります。
表面にはシルバー特有の細かな擦れや経年による濃淡が見られ、鏡面仕上げの新品とは異なる奥行きのある表情。とりわけオープンワークの内側やフレームの際に残る陰影が、幾何学的なデザインをより立体的に見せています。
端部には"GUCCI"、"made in italy"の刻印を確認できます。
開口部を設けたオープンバングルのため、着脱のしやすさも特徴のひとつ。正面からは連続したスクエアパターンが主役となり、開口部を手首の内側へ回せば、非常にすっきりとした見え方になります。
シャツやニットの袖口から僅かに覗かせても良く、夏場には素肌の上へ一本で着用しても十分な存在感があります。時計や細身のブレスレットと組み合わせるというよりも、この造形を活かして単体で着用したくなるバランスです。
装飾を加えることで豪華さを表現するのではなく、銀という素材を残す部分と取り除く部分、その反復だけでデザインを成立させたGUCCIのシルバーバングル。
ジュエリーでありながら、どこか建築やプロダクトデザインを思わせる構築的な佇まいがあります。
GUCCIというメゾンの知名度とは対照的に、一見しただけではブランドを特定させないデザインであることも、この個体の魅力でしょう。
ブランドジュエリーとしてだけではなく、造形そのものを楽しめるSilver 925の一本です。
■size(cm)
全長14.7
■textile
Shell:Silver 925
■model
■condition
異様感はございますが、綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
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