1912年、スペイン北東部サラゴサにて創業した老舗テーラー"Justo Gimeno(フスト・ヒメノ)"。
100年以上にわたり、貴族文化と紳士服の伝統を受け継いできた名門であり、スペイン国内はもちろん、世界中のクラシック愛好家から支持を集める希少な存在です。
同家は現在もサラゴサに構える自社アトリエで熟練職人がハンドワーク主体の仕立てを守り、時代の流れに迎合することなく、文化としての洋服づくりを継承し続けています。

フスト・ヒメノと言えば、その名を世界的に知らしめているのが"TEBA Jacket(テバジャケット)"。
このジャケットは、かつてスペイン王族・テバ伯爵(Conde de Teba)が、英国シューティングジャケットの機能性とスペイン的な軽さを組み合わせた洋服をヒメノ家にオーダーしたことから誕生したとされるモデル。

"重厚さより軽快さ"、"堅苦しさより自然体"を追求したそのスタイルは、従来のテーラードとは一線を画す、唯一無二の優雅なリラックスウェアとしてヨーロッパ中に広まりました。
最大の特徴は、構築しすぎない柔らかなショルダーライン、体に添うような前振りの袖付け、カーディガンのように軽い着心地、そして独自の4ボタン仕様。
袖口のターンナップカフ、パチポケット、Vゾーンの深いラペルなど、テーラードとワークの中間に位置するような絶妙なニュアンスが宿り、「気負わず着られる上品さ」という、他に代えのきかない魅力を発揮します。

こちらは、そのテバジャケットを端正なチェック柄ウールで仕立てた一着。
ブラウン×オリーブを基調に、上品なレッドのオーバーペーンを走らせた生地は、英国ツイードのような素朴さとスペインならではの軽やかさを兼ね備えた風合いが特徴です。
遠目には落ち着きがありながら、近くで見ると複雑な色糸が織りなす豊かな表情がはっきりと立ち上がります。

4つボタンはヴィンテージ感漂うレザーボタン。
丸みを帯びたフォルムと細やかな切り替えが、クラシックな雰囲気をさらに引き立てています。
胸元は小ぶりのパッチポケット、腰には大きめのフラップポケットを配置し、実用性と装飾性のバランスが絶妙。
アンコンの仕立てによりストレスのない着心地が得られ、ゆったりとした袖周りと優雅なドレープが身体の動きに寄り添います。
バックはセンターベントではなく、テバらしいシンプルなストレートライン。
過度な装飾を避けつつ、立体感を損なわない独自のパターンワークが、羽織った瞬間から"らしさ"を強く感じさせてくれます。

寒色にも暖色にも馴染む、汎用性の高いチェックパターンは、タートルニット、デニム、スラックスなど、合わせるアイテムを選ばない万能さを発揮。
テーラーの伝統を守りながら、日常に溶け込む優雅さを備えた、まさに"気品のある普段着"として機能する一着です。

クラシックの奥深さとスペイン文化の粋が凝縮された唯一無二のジャケット。
Justo Gimenoが誇る卓越した仕立てと、TEBAという普遍的なデザインの魅力を、ぜひ袖を通してお確かめください。

■size(cm)
肩幅51.5/身幅67/着丈74/袖丈65.5

■textile
Shell:Wool100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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