1975年、イタリア・ミラノにてGiorgio Armani(ジョルジオ・アルマーニによって創設された"ARMANI(アルマーニ)"。
建築的なシルエットと繊細な色調、そして"無駄を削ぎ落とした美"を追求する哲学で、世界のモード史に確固たる地位を築いたブランドです。
もともと建築を学んでいたアルマーニは、人体を立体的に捉える独自の構築感覚をファッションへと応用。
70年代後半に発表した"アンコンストラクテッド・ジャケット"は、従来のスーツ観を一変させ、メンズウェアに革命をもたらしました。
それまでの硬い肩パッドや芯地を排した軽やかな仕立ては、エレガンスとリラックスの調和を実現。
映画『アメリカン・ジゴロ』でリチャード・ギアが纏ったアルマーニのスーツは、現代的で洗練された男性像の象徴として瞬く間に世界を席巻しました。
この"柔らかな構築美"は、以後のモード全体に影響を与え、クラシックとモダンの中間を歩むアルマーニ独自のスタイルとして確立されます。

ブランドの特徴は、極限まで抑制された色使いと素材の選定にあります。
グレイッシュなトーンを基調とするカラーパレットは、光の角度や動きによって豊かな表情を生み、着る者の個性を静かに引き立てる。
そこには"ラグジュアリーとは目立つことではなく、感じ取られること"というアルマーニの信念が息づいています。
素材はウールやリネン、シルクなどの天然繊維を中心に、軽さとドレープ性を追求。
縫製からプレスに至るまでの緻密な工程管理が、唯一無二の滑らかなラインを生み出しています。
また、ブランドの展開は幅広く、"GIORGIO ARMANI"を筆頭に、"EMPORIO ARMANI"、"ARMANI COLLEZIONI"、"ARMANI JEANS"など、ライフスタイルや世代に応じたコレクションを展開。
それぞれに共通するのは、時代を超えて変わらない"控えめなエレガンス"という価値観です。
近年ではサステナブル素材の導入や、クラフツマンシップとテクノロジーを融合させた新ラインも発表し、成熟したブランドとしてさらなる進化を遂げています。
流行に左右されることなく、常に本質的な美を追求し続けてきたアルマーニ。
そのデザインは"装う"という行為に静かな自信と品格を与え、日常を芸術へと昇華させる。
ARMANIとは、まさに"タイムレス・エレガンス"の象徴と呼ぶにふさわしい存在です。

クラシックなテーラリングとモダンな機能美を兼ね備えた、2000年代"EMPORIO ARMANI"のジップアップベスト。
ブランドの洗練されたミニマリズムを象徴する一着です。
素材には、適度な厚みとハリを持つウールブレンドを採用。
グレンチェックを思わせるクラシカルな織り柄を、わずかに光沢を帯びた糸で表現し、陰影のある立体感を演出しています。
非常に柔らかい質感は動作時にものストレスな着心地を実現し、アルマーニらしい"軽やかな構築#の哲学が、ここでも息づいています。

デザインはVネックのジップフロント仕様。
フロントを上下どちらからも開閉できるダブルジップが採用されており、シルエットやレイヤードのバランスを自在に調整可能です。
肩周りから身頃にかけてのラインは自然な丸みを描き、構築的でありながらも柔らかな印象を与えます。
クラシックな柄を用いながら、機能性とモダンな軽快さを両立する設計は、まさにアルマーニの真骨頂といえるでしょう。
また、ジャケットやコートのインナーとしても、シャツの上にさらりと羽織るスタイルにも適した汎用性の高い一枚。
モノトーンを基調とした控えめな配色が、コーディネート全体を静かに引き締め、着る者の所作や立ち姿までも美しく見せます。

2000年代当時、"EMPORIO ARMANI"はブランドの中でも特に都会的な洗練を体現したラインとして位置づけられていました。
その中で本作のようなアイテムは、クラシックな素材や柄を現代的に再構築する試みの象徴。
装飾を削ぎ落とした端正なデザインと、精緻な縫製が生み出す滑らかなフォルムは、まさにアルマーニが追求した「見せるのではなく、感じさせる」ラグジュアリーの体現です。
メイド・イン・イタリーの確かな品質と、時代を超えて通用する静かなエレガンス。
その佇まいは今もなお、アルマーニが築き上げたモードの美学を語り続けています。

■size(cm)
表記サイズ:L
肩幅37.5/身幅47/着丈61

■textile
Shell:Wool

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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