"C.P. COMPANY(シーピー カンパニー)"は、マッシモ・オスティが1971年に創設したイタリア発のテクニカルウェアブランドです。
ミリタリーやワークウェアの実用構造を基盤に、素材研究と染色技術で日常着を進化させてきました。2000年代に入ってもその精神は受け継がれ、機能と意匠が高い次元で融合した名作が数多く生まれます。

本作は2008年春夏シーズンに登場した“Lino Flax”ジャケットのデッドストック個体。
デザインはAlessandro Pungetti(アレッサンドロ・プンジェッティ)によるもので、オスティ譲りの資料性と現代的バランスを結びつけ、タフさと洗練を両立させた時期を象徴する一着でございます。

素材は名称の通りリネン(フラックス)を主素材とした“Lino Flax”。
リネンの強靭な繊維に樹脂系のコーティング(レジンフィニッシュ)を施すことで、軽さと通気性を保ちながら、独特のハリとドライタッチ、そして鈍い艶を付与しています。
光を受けると表面に陰影が走り、ワックスドクロスのような表情を見せる一方、着用とともに細かな皺が刻まれて色調が柔らかく馴染む——経年が「完成」を導くC.P.らしい素材設計です。
深いブラックのトーンは、都市の装いに溶け込む普遍性と、素材感を際立たせる品の良さを併せ持ちます。

ディテールはブランドのアーカイブを象徴する要素が凝縮。
襟元にはストームフラップ一体のスロートラッチ(バックル)を備え、フロントは比翼仕様のスナップボタン開閉。
胸元には片側にフラップ＋マチ付きのユーティリティポケット、反対側にスリットポケットを配置し、腰には容量のあるフラップポケットを左右に装備。
袖口にはジップ、裾にもスナップで微調整が可能です。
左袖にはC.P. COMPANYのアイコンである“ウォッチビューワー(レンズ)”を搭載。時計や計器を袖上から確認するという発想に端を発する意匠で、機能起点のデザイン哲学を端的に語ります。

首元には取り外し可能なフードを備え、急な小雨や風にも対応できる実用装備としています。
裏地使いは最小限に抑えつつ要所は当て布とバータックで補強。
運針は細かく、スナップやリベットは無骨さと信頼性を両立します。
シルエットは程よくリラックスしながらも着丈はややコンパクト。
ショルダーラインは自然に落ち、インナーにシャツや軽量ニットを挟んでももたつきにくい設計です。
前を留めればフロントの縦線が強調され、開けて羽織れば生地のハリがつくる陰影が立体感を生みます。

本品は当時のまま保管されたデッドストックという点も特筆に値します。
未使用由来のクリーンなコンディションにより、“Lino Flax”特有の質感変化を一から育てていただけます。
春先から梅雨時、初秋まで長いシーズンに対応し、都市生活で求められる耐候性・収納力・軽さを一着で満たす万能アウター。
C.P. COMPANYの研究開発志向と実用主義が結晶した、2000年代アーカイブの好例でございます。
機能に導かれた形と、素材が語る存在感。
使い込むほどに自分の一枚となる、コレクション性と実用性を併せ持つ一着です。

■size(cm)
表記サイズ:46
肩幅45/身幅55/着丈64/袖丈69

■textile
Shell:Linen00%(Polyurethane Coated)

■model
176cm

■condition
デッドストックです。
その他は画像をご確認下さいませ。

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