1982年にイタリアで創設された"STONE ISLAND(ストーン アイランド)"は、創業者マッシモ・オスティが掲げた“素材研究のためのラボラトリー”という理念のもと、ガーメントダイや特殊コーティングなど独自の実験精神でメンズウェアを刷新してきたブランドです。
軍用ユニフォームやワークウェアをソースに、機能を服の言語として翻訳する——そんなアプローチは現在に至るまで同社の核を成し、コンパスのエンブレムとともに世界中のアーカイブ愛好家を魅了し続けております。

本作は97年春夏にリリースされた一着。デザイナーはポール・ハーヴィー。
90年代後半から2000年代中頃までストーンアイランドの舵取りを担い、テクニカルな素材と実用衣服の構造を巧みに融合させた人物です。
ハーヴィー期を象徴するのは、過剰な装飾を排した機能美と、ミリタリー由来のパターンワークを日常着の文脈へと落とし込む手つき。本品にもその美点が色濃く宿ります。

生地は軽やかなコットン100%。高密度に織り上げたポプリン調の風合いで、ハリを保ちながらもソフトなタッチが特徴です。ホワイト一色で潔く仕立てられ、ガーメントの陰影が際立つミニマルな佇まい。
洗いをかけたようなナチュラルな表情に、ストーンアイランドらしい素材感の奥行きを感じていただけます。

デザインはサファリシャツをベースにしたオーバーシャツ型。
フロントはボタン開閉、左右に大きなフラップポケットを配した実用的なレイアウトです。
身頃は直線的なボックスシルエットで、肩線をやや落としたリラックス感のあるバランス。
袖口はカフ開閉で調整が可能。
背面ネックには補強当て布と通気用のアイレットを備え、機能をさりげなく造形へと昇華しています。
ディテールの要所にはブランド刻印入りのボタンを用い、襟裏にはステンシル調の“STONE ISLAND”ロゴ。
表面に過度な主張を置かず、内側や見返しにアイデンティティを潜ませる手法はハーヴィー期ならではです。
着丈はシャツとしてもライトアウターとしても扱いやすいミドルレングス。
直線的な裾と大ぶりポケットの構成により、上半身の重心が自然に整い、どの角度から見てもすっきりとした印象に映ります。
Made in Italyの確かな縫製も見どころで、運針や端処理の美しさが素材の清潔感をさらに引き立てます。

97SSという時代性もアーカイブとしての魅力。
テクニカルファブリック全盛へ向かう直前の、コットンを主役に据えた純度の高い“ストーンアイランドのリアルクローズ”を体現する一着です。
サファリの実用を現代に翻訳した構造、白の無垢さがもたらす清潔感、そして日常にすっと溶け込む機能美——ポール・ハーヴィー期の思考と空気を、袖を通すたびに感じていただけるはずです。
アーカイブ好きの方はもちろん、長くワードローブの基点として愛用いただけるプロダクトです。

■size(cm)
表記サイズ:M
肩幅50.5/身幅60.5/着丈76.5/袖丈63.5

■textile
Shell:Cotton100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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