"PRADA(プラダ)"は1913年にミラノで誕生し、レザーグッズの名門として評価を高めながら、1990年代にはナイロン素材を筆頭にした革新的プロダクトでラグジュアリーの価値観を更新してきました。
実用性とモダニティを同列に語る同ブランドは、シルエットの洗練、素材使いの実験性、そして控えめな装飾で輪郭を際立たせる設計思想により、日常に根差したエレガンスを提示し続けています。
1990年代末——とりわけ99年頃のメンズは、ミニマルなテーラリングとテクニカル素材の融合が顕著で、当時の空気を今に伝えるコレクションが多く存在します。

デザイナーはミウッチャ・プラダ。
彼女は知性と機能性を軸に、既存のラグジュアリーに批評性を与えてきました。
軍用やワークウエアのディテールを抽出して都市生活のユニフォームへ昇華する手つき、色や装飾よりも“素材のニュアンス”と“プロポーション”で語る態度は、テーラードの世界にも鮮やかに反映されています。
本作が属する99年春夏期も、過剰な演出を退けたクリーンなムードの中に、身体の動きやすさと都会的な緊張感を同居させる手腕が際立っていました。

アイテムは3ボタンのテーラードジャケット。
ポリエステルにエラスタンをブレンドしたファブリックを用い、軽さと復元性、僅かなストレッチ性を備えています。
ノッチドラペル、胸のウェルトポケット、腰のフラップポケットという端正な構成。
前身頃は3つボタンの穏やかなフロントラインで、開けても閉じても美しく収まります。
袖口は4ボタンのキッシング配列。
肩は過度なパッド感を避けたナチュラルショルダーで、直線的すぎない落ち着いたラインを描きます。
背面は無駄な切り替えを抑え、縫製は目立たせずに均一。
総裏仕立てで着脱も滑らかです。
生地表面は繊細な光沢を帯び、座りジワが残りにくいため、長時間の移動にも適しています。
テキスタイルのハリが前身頃の垂直性を保ち、身幅に適度な可動域を確保することで、シャツの上からはもちろん薄手のニット上にもストレスなく重ねられます。
ミニマルな表情と機能的な素材選択——まさに当時のプラダの思想を体現する一着です。

装いの基調を整えるための“現代の制服”としてお勧めいたします。
過度な装飾に頼らず、素材と線で端正さを語る本作は、シーンをまたいで品よく機能します。
日常に確かな緊張感をもたらすテーラードをお探しでしたら、ぜひワードローブの逸品としてお迎えください。

■size(cm)
表記サイズ:52
肩幅48/身幅56/着丈79/袖丈65

■textile
Shell:Polyester90% Elastane10%
Lining:Rayon100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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