"PRADA(プラダ)"は1913年、マリオ・プラダがミラノに皮革専門店を開いたことに端を発します。
旅行鞄や小物で名を上げ、上質素材と卓越した職人技で王侯貴族の御用達へ。
転機は1978年、孫娘ミウッチャ・プラダが家業を継いだ時でした。
工業用素材をモードへと転写する発想、機能と知性を帯びたミニマリズム——その象徴が80年代後半に台頭したポコノナイロンです。
実験精神はシューズやバッグのみならずメンズテーラリングにも波及し、90年代以降は構築的でありながら軽やかなシルエットで世界のドレスコードを更新してきました。

本作は2013年春夏期の"PRADA UOMO(プラダ ウオモ)"より、コットンシルクのバルマカーンコート。
デザインを主導したのはミウッチャ・プラダ。日常に潜む機能を、静謐な造形で高次へ押し上げるクリエイションが端的に現れています。
表情は極めてミニマル。ステンカラーを僅かに立ち上げ、前身頃は比翼仕立てのフロント。
装飾を引き算することで輪郭の美しさが際立つ設計が見て取れます。
直線的な身頃に対して、肩周りは過度に張らず、自然に体へ沿うセット。
ミウッチャらしい独自のテーラリングの真骨頂。
静かな佇まいのまま、袖を通した瞬間に実感できる可動域の広さです。

素材はコットンにシルクをブレンド。マットな落ち着きの中に、ごく控えめな光沢がのぞきます。
しなやかなドレープ、滑るような肌当たり。撥水を謳うプロダクトではありませんが、密度のある織りが風を受けても形を保ち、春先から梅雨時、そして初秋まで活躍する軽量アウターとして信頼できます。
重量を感じさせないのに、直線的で縦に伸びるフォルムが身体をすっと細く見せる——スタイル補正も嬉しいポイントです。

ディテールは必要最小限。腰のハンドウォーマーは斜めの切り口で手の出し入れがスムーズ。
袖口にはベルト状のアジャスターを配し、風の侵入を抑えつつ表情の調整も可能です。
後ろ身頃はセンターシームのみのクリーンな面。
歩みとともに裾が自然に揺れ、直線の中に柔らかなモーションを生み出します。内部の過度なパッドや芯地に頼らず、縫製とパターンで立体を描く作り。軽さと端正さの両立です。

着こなしは幅広く、テーラードの上にさっと重ねれば出張や会食に相応しい端整な表情へ。ニットとデニムに合わせれば、モダンなデイリーアウターへと早変わり。
スニーカーともレザーシューズとも相性が良く、傘いらずで動きたい日にも頼れる相棒です。
装飾で語らず、素材と線で完成させる“PRADA(プラダ)”の美学。
ワードローブの基幹を担う一着として、長くご愛用いただけます。
ミウッチャ・プラダのデザイン哲学は常に“知性と実用”の交差点にあります。
本コートもまた、機能を声高に主張せず、都会生活の動きを妨げないという当たり前を上質に仕立て上げたプロダクト。
時代のトレンドが移ろっても、クローゼットの奥で眠らない服。
そんな価値を求める方にこそお勧めいたします。

■size(cm)
表記サイズ:44
肩幅44/身幅52.5/着丈93/袖丈64.5

■textile
Shell:Cotton65% Silk35%
Other:Rayon100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。