1856年、若き織物商トーマス・バーバリーがイングランド南部ベイジングストークで創業した"Burberry's(バーバリー)"は、1879年に耐久・撥水性に優れたギャバジンを開発し、アウトドアとミリタリーウェアの概念を刷新してまいりました。
第一次大戦期には将校用コートを供給し、トレンチの原型を確立。
以後は機能素材と精密な裁ちを核に、ブリティッシュクラシックを現代に橋渡しする名門でございます。
襟裏に覗くチェック、そして1990年代末まで用いられた“Burberry’s”表記——ヴィンテージならではの風情も本品の魅力です。

ご紹介するのは1980年代製のコットン×ポリエステル・バルマカーンコート。
深みのあるカーキのシェルに、前身頃はミニマルな比翼仕立て。
雨風を受け流し、装いの表情を静かに引き締めます。最大の見どころは袖付け。
肩線を排した一枚袖で、身頃から袖へと一本の曲線でつながる設計でございます。
縫い目が少ないぶん雨仕舞いに優れ、肩に皺が寄りにくく、着る人の体型に沿ってふわりと落ちるドレープが生まれる——古い英国の良心を感じる仕様です。

素材はコットン×ポリエステルのギャバディン。
コットンの表情に、ポリエステルの軽さ・乾きの早さ・皺戻りの良さを加え、都市生活にうれしい実用性を実現しております。
袖口のアジャスターストラップ、動きを妨げない深いセンターベント、風を遮る高めの前合わせ。
必要十分なディテールを端正にまとめ上げた、バルマカーンの理想形でございます。
シルエットは緩やかなAライン。
膝下へ向けて品よく広がり、ジャケットの上からも余裕をもって羽織れるバランスです。
ラグラン特有の可動域の広さも手伝い、インナーにミドルゲージのニットやスーツを重ねてもストレスが少ない着心地。

コンディションは年代相応のアタリや微細な皺が見られますが、生地のハリと落ち感は健在。
ワンパネルの肩線が描く曲線美は、歳月によりいっそう豊かな陰影を帯びております。
素材の説得力、機能の合理、線の美しさ。Burberryが培ってきた“用の美”を実感いただける本品。
日常を静かに格上げする一着でございます。

■size(cm)
表記サイズ:42 Long
裄丈79/身幅57/着丈111

■textile
Shell:Cotton51% Polyester49%
Lining:Cotton50% Polyester50%

■condition
フロントとインバーテッドプリーツのボタンが一箇所欠損しておりますが、全体的に綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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