1960年代、東ドイツ軍によって採用された「Blumentarn（ブルーメンタルン）」迷彩は、冷戦期を象徴するパターンのひとつとして知られています。
その名の通り「花柄迷彩」とも呼ばれるこのカモフラージュは、従来の直線的な迷彩とは一線を画し、有機的で柔らかなフォルムを多用したパターンが特徴です。
緑、ブラウン、そして淡いベージュが重なり合い、まるで抽象絵画のように複雑でありながらも不思議な調和を生み出しています。

本品は、当時の空挺部隊や偵察部隊を中心に支給されていた実物のトラウザーズ。
ややテーパード気味のシルエットに加え、大きめのカーゴポケットを備え、機能性と実用性が両立した設計です。
フロントのボタンフライ、補強の施されたヒップや膝周り、そして裾に配されたアジャスターなど、フィールドでの着用を前提としたディテールが随所に見られます。
生地は適度な厚みを持つコットンツイルで、着用を重ねることで柔らかさを増し、経年変化による風合いも楽しめます。

本モデルはわずか10年ほどの短い期間で廃止されました。
そのため現存数が少なく、ヴィンテージ市場においても高い評価を受けています。
迷彩柄としての機能性を備えつつ、どこか芸術的な雰囲気すら漂わせるこのパターンは、東西冷戦下という時代背景を映し出す文化的資料としての側面も持ち合わせています。

ファッションとして取り入れる際には、シンプルなトップスと合わせることで独特の存在感を引き立てることができます。
無地のシャツやジャケットと組み合わせれば、スタイリングの中で一点アクセントとなり、ミリタリー特有の無骨さとアート的な感覚を同時に演出することが可能です。
現代のコーディネートに取り入れることで、60年代の空気を纏いながらも新鮮な魅力を放つ一本と言えるでしょう。

冷戦期という歴史的背景、独自のパターン、そして短命ゆえの希少性——。
これらすべてを兼ね備えたこの一本は、単なる軍用衣料を超えた存在として、今なお多くの愛好家を惹きつけています。

■size(cm)
表記サイズ:44M
ウエスト100/裾幅24/股上37.5/股下68

■textile
Shell:Cotton100%

■model

■condition
デッドストックでございます。
その他は画像をご確認下さいませ。

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