1982年、イタリア・モデナで誕生した"STONE ISLAND(ストーン・アイランド)"は、単なるスポーツウェアやカジュアルウェアの枠を超えた存在として、世界中のファッション愛好家を魅了してきました。
創設者マッシモ・オスティが掲げたのは「機能と素材革新の融合」。
軍服や作業着といった実用服のアーカイブを徹底的に研究し、そこに独自の染色技術や先進素材を掛け合わせることで、当時のメンズウェアにはなかった新しい価値観を打ち立てました。
ブランドの象徴でもあるコンパスパッチは、方位を示す羅針盤のように、未知の素材や機能への探求を続ける姿勢を示しています。

ストーンアイランドが英国人デザイナー、ポール・ハーヴェイの手腕によって新たなフェーズへと進化していた時代に生まれた本品。
1996年から2008年までクリエイティブディレクターを務めた彼は、オスティの理念を受け継ぎつつ、より洗練されたシルエットと都会的な感性をブランドに吹き込みました。
過剰な装飾を排し、素材そのものの質感やディテール設計によって存在感を醸し出す手法は、現在でも多くのアーカイブコレクターから高く評価されています。

このショートスリーブのプルオーバーシャツは、ポール・ハーヴェイ期らしいミニマルな構造と、日常に溶け込みながらも独自の存在感を放つデザインが光ります。
素材にはコットンを用い、柔らかく肌に沿うような風合いに仕上げられています。
長年着込んだかのような自然な色褪せと落ち感は、新品時からすでに心地よく馴染むよう計算されており、夏の素肌に触れた時の軽やかさと通気性は格別です。

袖には二本のラインを配し、全体にスポーティさと程よいアクセントを加えています。
デザインのみに留まらないのがSTONE ISLAND。
肩のステッチラインがやや後方に下がった位置に設定されており、正面からの印象をすっきりと見せるだけでなく、着用時の肩周りの可動域を広げる役割も担っています。
この控えめなカッティングの妙が、日常着でありながらも立体的なシルエットを実現し、着る人の動きに自然に寄り添います。

フロントには刻印付き3つボタンと控えめな"STONE ISLAND"ロゴを配し、シンプルながらもブランドらしいアイデンティティを確保。
ロゴのサイズ感も絶妙で、主張しすぎず、しかし確実に視線を引きつけます。
こうしたバランス感覚こそ、ハーヴェイが築き上げた時代のストーンアイランドの真骨頂といえるでしょう。

全体の色調は落ち着きのあるグレー。これは単なる染色ではなく、長年の着用や洗いを経たかのような自然なフェード感が魅力です。
このヴィンテージライクな色合いは、デニムやチノ、あるいはミリタリーパンツとも好相性で、合わせるボトムスによって表情を変える懐の深さがあります。

本作は、STONE ISLANDが素材開発とデザインを高次元で融合させていた全盛期の一端を物語る一着です。
派手さや奇抜さではなく、長く愛用することで真価を発揮する"静かな力強さ"を持ち、日常生活においても違和感なく溶け込む。
単なる夏のカジュアルシャツに終わらず、ワードローブの中で頼れる相棒となり得るこのピースは、STONE ISLANDのアーカイブを語る上で欠かせない存在です。
ファッションの潮流が移り変わっても、こうした普遍性と静謐な個性を兼ね備えた一着こそが、長い年月を経ても色褪せない魅力を放ち続けるのです。

■size(cm)
表記サイズ:XXXL
肩幅52.5/身幅65/着丈76.5/袖丈21.5

■textile
Shell:Cotton100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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