ヨーロッパ市場に向けて企画・生産された"EURO Levi’s(ユーロ・リーバイス)"は、アメリカ本国のリーバイスとは一線を画す存在です。
オリジナルのワークウェア的背景を尊重しつつも、ヨーロッパならではの洗練や都会的感性を盛り込み、よりファッションとして完成されたプロダクトを数多く生み出してきました。
その背景には、80年代から2000年代初頭にかけて、世界的なカジュアルウェアの需要が高まり、デニムジャケットやジーンズが"労働着"から"日常のファッションアイテム"へと完全に移行していった時代性があります。
この70501モデルも、そうした潮流の中で誕生しました。
クラシックなトラッカージャケットの構造を踏襲しながらも、細やかなパターン修正によって現代的な着やすさを実現しており、ワークの無骨さにヨーロッパ的エレガンスが重なった、まさに"ハイブリッド"な一着と言えるでしょう。

同じモデルナンバーを持つUSA製との違いも、このジャケットの魅力を語る上で欠かせません。
USA版はリーバイスがルーツとするアメリカ西部の精神を色濃く反映しており、太めのアームホールややや短めの着丈、力強いステッチワークなど、いわゆる"アメカジ"の匂いを強く残しています。
一方、EURO版の70501は、その土台を活かしつつもシルエットをややスマートに調整。
肩から袖にかけてのラインがすっきりとしており、着丈もわずかに長めに設定されています。
これにより、ジャケット単体での着こなしはもちろん、インナーとのレイヤードもすんなりと収まり、より都会的で汎用性の高いシルエットに仕上がっています。
生地感もUSA版と比較するとやや柔らかく、軽快さがあり、タフさ一辺倒ではなく、日常に溶け込みやすいニュアンスを持っています。

そして、この個体の大きな魅力の一つが"サイズM"という点です。
デニムジャケットにおいて、サイズ感はスタイリングの印象を大きく左右します。
オーバーサイズ過ぎれば野暮ったく、タイト過ぎれば動きづらさが目立ちますが、このMサイズはそのちょうど中間に位置するゴールデンバランス。
日本人の平均的な体型にも良く馴染み、インナーにシャツやスウェットを合わせてももたつかず、かつ一枚で羽織った時にもシルエットが美しく見える寸法です。
特にこの70501は身頃と袖のバランスが絶妙で、横から見た時のラインが崩れず、どの角度からも端正な佇まいを保ってくれます。

さらに、色合いも魅力的です。ほぼリジッドに近い濃紺のインディゴは、無骨さを残しながらも品があり、経年によるフェードを楽しむ余地を存分に残しています。
新品のような緊張感を保ちながら、着込むことで徐々にアタリや色落ちが現れ、唯一無二の表情に育っていく過程は、デニムならではの醍醐味。
袖口やヨーク、ポケット周りからゆっくりと浮かび上がる色のグラデーションは、着る人の生活と時間を映し出すキャンバスのような存在になります。

この“EURO Levi’s” 70501は、カジュアルとモダンの狭間に立つ存在です。
アメリカンワークウェアのアイデンティティを踏襲しつつ、ヨーロッパ的な視点でブラッシュアップされたシルエットと仕様。
そこにゴールデンなMサイズ、そして深いインディゴの色合いが組み合わさることで、シーズンやシーンを問わず活躍する、理想的なデニムジャケットに仕上がっています。

アメカジの王道をそのまま受け継ぐのではなく、現代的なワードローブに自然に馴染む一着を求める方にこそ、ぜひ袖を通していただきたい。
着るほどに増す味わいと、時代を超える普遍性が、このジャケットには確かに息づいています。

■size(cm)
表記サイズ:M
肩幅49/身幅57/着丈68/袖丈66

■textile
Shell:Cotton100%

■model

■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。

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