「最高の素材を、最高の技術で」。
このシンプルで揺るぎない信念のもと、"Loro Piana(ロロ・ピアーナ)"は長きにわたりイタリアが誇る素材主義の象徴として、その名を世界に刻んできました。

ブランドの起源は19世紀初頭、イタリア北部・ビエラ地方。
この地はアルプスの雪解け水がもたらす豊かな水資源と、織物業に適した気候風土に恵まれ、古くから上質なウールの産地として知られてきました。
ロロ・ピアーナ家は、ここで繊維商としての第一歩を踏み出し、1924年に正式に「Loro Piana & C.」を創業。
以来、羊毛やカシミア、ビキューナといった高級天然繊維の調達・開発に心血を注ぎ、その品質と信頼性で、世界中のメゾンやブランドに素材を供給し続けてきました。

その名がより広く知られるようになったのは、自社レーベルによるアパレル展開が本格化した1980年代以降のこと。
他のどのブランドとも異なる“沈黙のラグジュアリー”とでも呼ぶべき美学を携え、ロロ・ピアーナのウェアは静かに人々の心をつかんでいきます。
その魅力の核は、やはり「素材」——
標高4,000メートルを超えるアンデスの山岳地帯で刈り取られるビキューナ、モンゴルや中国奥地で育まれる厳選されたカシミアなど、他では決して触れることのできない原料のみが選ばれ、独自の技術で紡がれます。

しかし、ロロ・ピアーナの真価は、単なる高級素材の使用に留まりません。
生地の風合いを最大限に活かすためのカッティング、仕立て、シルエット、縫製——すべてが「着心地」という見えない価値に向けて集約されています。
たとえば、ボタンを留めたときの胸元の落ち感、アームホールの角度、動いたときにわずかに揺れる生地のしなやかさ。
そうした細部にこそ、ロロ・ピアーナというブランドの美意識が凝縮されています。

また、ロロ・ピアーナの服は、ブランド名や装飾によって語られるのではなく、「誰が」「どう着るか」によってその品位が際立つという点でも特異です。
華美な演出とは無縁でありながら、確かな品格と包容力をもって着る人を引き立てる——それこそが真のラグジュアリーであるという哲学が、一着一着に宿っているのです。

時代の浮き沈みに流されることなく、変化よりも「熟成」を重ねてきたロロ・ピアーナ。
その古着には、新品にはない静けさと深みが滲んでいます。
手に取るたびに素材の温度を感じ、袖を通すたびにその優しさと精緻さに気づく——
そんな服にこそ、日々を丁寧に生きたいと願う大人たちは惹かれていくのかもしれません。

その哲学がもっとも雄弁に語られるのが、ロロ・ピアーナ独自の機能素材「STORM SYSTEM(ストームシステム)」を採用したアウターラインです。

ご紹介するこちらは、まさにその真骨頂とも呼ぶべき一着。
ハーフ丈の上品な佇まいに、サドルショルダー仕様というクラシックな意匠を掛け合わせることで、日常にすっと馴染むエレガンスを体現しています。

ストームシステムとは、ロロ・ピアーナが独自に開発した防水・防風機能を備えた高機能テキスタイルでありながら、手触りや落ち感は通常の天然素材そのもの。
いわゆる「機能服」にありがちな硬さや光沢とは無縁で、見た目にはあくまで洗練されたテーラードコートの風情を保っています。

また、肩に縫い目のないサドルショルダーは、クラシックな英国の乗馬服に由来するディテール。
袖を通したとき、肩のラインが自然に流れ、身体の丸みに沿って美しいシルエットを描きます。
この無駄のない流線型のカッティングもまた、ロロ・ピアーナの卓越した仕立て技術を如実に物語っています。

襟裏にあしらわれたレザータブや、フロントをすっきりと覆う比翼仕立てなど、装飾を最小限に抑えた設計のなかに、機能と美意識が緻密に共存。
雨の日も、風の強い日も。日常の延長線上でラグジュアリーを自然に纏える、まさに"Loro Pianaらしさ"の結晶です。

■size(cm)
表記サイズ:XXL
裄丈96.5/身幅70/着丈90

■textile
Shell:Polyester 78% × Nylon 22%
Upper Lining:Cotton85% × Cashmere15%
Lower Lining:Polyester67% × Cotton33%
Sleeve Lining:Polyester52% × Cupro48%
Detailes:Suedie Goatskin100%

■condition
ライニングに一箇所汚れがございます。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。