SOLD OUT
時代の埃をまといながら、静かに今へと届いたセットアップがあります。
1920年代、パリの名店"Belle Jardinière(ベル・ジャルディニエール)"がフランス軍に向けて仕立てた、コロニアルジャケットとジョッパーズのセットアップ。
その存在は、単なる軍衣料という枠を超え、当時の服飾史や美意識を静かに物語っています。
Belle Jardinièreは、1837年創業の老舗百貨店。
後に「ル・ボン・マルシェ」や「プランタン」に続く、パリの先駆的な大衆衣料店として名を馳せた存在です。
衣料の民主化に大きな役割を果たし、19世紀末から20世紀初頭にかけては、軍へのユニフォーム供給も手掛けるなど、フランス衣服文化に深く関与していました。
本作は、そんなBelle Jardinièreによって製作された、植民地勤務用のミリタリーセットアップ。
いわゆる「コロニアルジャケット」に分類されるこの一着は、単なる実用品としてではなく、当時のフランスらしい美意識と機能性のバランスが見事に共存した一品です。
ジャケットは、直線的でありながらどこか柔らかな丸みを帯びたシルエット。
胸元から裾へと縦に並ぶ真鍮のボタンは、軍服としての威厳を保ちながらも、どこか品の良さを感じさせるディテールです。
スタンドカラーの襟元が醸す静かな緊張感と、四つのフラップポケットがもたらす実用性。
服であると同時に、装具であり、道具であり、そして何より「歴史の証言者」であることを実感させてくれます。
一方、パンツは乗馬服由来のジョッパーズ型。
腰回りから膝にかけてはゆとりを持たせ、裾に向かって急激にテーパードするシルエット。
足首のボタンがしっかりと脚をホールドし、動きやすさと見た目の緊張感を両立させています。
生地には、やや厚手で粗野なコットンクロスが用いられています。
生成りに近いベージュの色味は、太陽の下で乾いた空気を孕んだような色合い。
長い時を経た風合いには、計算では辿り着けない「時間の仕事」が刻まれており、
まるで砂漠の風が織り込まれたかのような、乾いた美しさがあります。
このセットアップは、単体でも十分な存在感を放ちますが、上下を揃えて着ることで、当時の空気感がよりリアルに再現されます。
シンプルなインナーと合わせるだけで、日常から一歩離れた装いへと昇華され、
今なお“着る”という行為に、新たな意味と詩情を与えてくれることでしょう。
また、Belle Jardinièreのミリタリーウェアは現存数が非常に少なく、特にセットアップの形で揃っているものはほとんど市場に出回りません。
保存状態の良さも特筆すべき点で、ジャケット・パンツともにオリジナルのパーツを残したまま、美しいシルエットを保っています。
服とは、時に“過去”をまとい、“今”を照らすもの。
このセットアップは、その意味においても非常に稀有な存在です。
ミリタリーとテーラリングの交差点で生まれたこの一着に、ぜひ袖を通していただきたいと思います。
■size(cm)
肩幅46/身幅58/着丈74/袖丈62
ウエスト102/裾幅14/股上41.5/股下60.5
■textile
Shell:Cotton 100%
■condition
とても綺麗な状態です。
その他は画像をご確認下さいませ。
発送まで4日程度頂戴いたします。
【必ずオンラインサイト下部の特定商取引法に基づく表記をお読みになってからご購入ください。】
※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
※NCNR、ビンテージやアンティークにご理解のある方のみご購入下さい。
49,999memberpoint獲得
※ メンバーシップに登録し、購入をすると獲得できます。
※こちらの価格には消費税が含まれています。
※別途送料がかかります。送料を確認する
※この商品は海外配送できる商品です。