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衣服という存在が、単なる実用品から美学の対象へと昇華するには、デザインの力だけでは足り得ません。
それには思想が、物語が、そして強い視点が必要。
イヴ・サンローラン氏がそのすべてを併せ持つデザイナーであったことは、モード史の中で何度も語り継がれてきました。
20世紀ファッションの潮流を決定づけた巨人の名は、今も変わらぬ重みをもって、服の奥に息づいています。
"Yves Saint Laurent(イヴ・サンローラン)"というブランドは、1961年、ディオールの後継者として名を馳せたサンローラン氏本人によって設立されました。
以降、女性の装いに対してラディカルかつ革新的な提案を続けます。
タキシードを女性に、ミリタリーを優雅に、サファリを都会に。
そこにはつねに"境界を溶かす"思想が通底していました。
クラシカルでありながら時代を穿つ、そのバランス感覚がサンローランを特別な存在にしたのです。
まず目を引くのは、全体にたっぷりと取られた分量感と、柔らかくも芯のあるコットンの質感。
パリッと張りのある布地は、着るごとに身体の動きに追従し、自然なシワや癖を刻んでいきます。
装飾過多を避けながらも、どこか彫刻的な立体感を持たせたシルエットは、さながら戦地に咲いた花のような、静かな力強さを湛えています。
比翼仕立てのフロントは、ボタンとファスナーの二重構造。
視覚的にはミニマルに保ちながら、実用性を巧みに内包したディテールが光ります。
ボタンの位置やステッチの精度顕れる、老舗メゾンとしての技術力。
そしてそのフロントの内側、チラリと覗くのが、鮮烈なオレンジの裏地には誰もが心奪われることでしょう。
まるで陽の光を閉じ込めたかのような色彩が、着脱時や動きの合間にふと現れる。
外見では抑制を効かせつつ、内側には強烈な情熱を秘める。
これは彼の服づくりにおける美意識の核のひとつ。
肩にはエポレットを想起させる非常に長いストラップが施され、ミリタリーへのリスペクトを匂わせます。
一方でそれはどこか削ぎ落とされ、記号的に処理されているのが興味深い点。
ミリタリーでありながら、戦うことではなく「構築された美」として解釈されているのです。
カフスストラップが付属した袖口も、折り返す事で裏地の鮮やかなオレンジが顔を出します。
これもまた、着る人に選択の余地を残すサンローランらしい自由の設計。
今日の視点から見てもまったく古びない意匠制の高さ。
むしろ、現代の均質なファッションに対して新鮮な違和感すら漂わせます。
こうした服に出会うとき、私たちは"ファッション"という概念の本質に触れているのかもしれません。
美意識という言葉をそのまま体現した本品。
それは、見事にイヴ・サンローラン氏の哲学を反映した遊戯的な一着でございます。
■size(cm)
表記サイズ:5
肩幅50.5/身幅70/着丈67.5/袖丈58.5
■textile
Shell:Cotton100%
■condition
後身頃右肩付近にシミがございます。
その他は画像をご確認下さいませ。
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