フランス伝統が息づく、"Charvet(シャルべ)"仕立てのメッシュベルト。
それは、静かに語りかけてくる一本。
何十年という時間が織りなすように、編み込まれた一本の縄が、終わりのない優雅な円環を描いています。
シャルベ──それは、シャツの枠を越えて"身にまとう美意識"の象徴として、今なおパリの空気に溶け込む老舗メゾン。
その手によって生まれたメッシュベルトには、伝統と革新、そしてひそやかな贅沢が潜んでいます。

世界で初めて"シャツ専門店"を名乗った、唯一無二のメゾン、シャルべ。
1838年、パリ・ヴァンドーム広場のすぐそばに誕生したシャルベは、世界で初めて"シャツ専門店"として暖簾を掲げたブランドです。
創業者クリストフ・シャルベは、当時ナポレオン3世の御用達シャツ職人。
官能的なまでに繊細なステッチ、美しくカットされた襟、完璧なまでのパターンバランス──
これらすべてが、仕立て屋という職業の枠を超え、"芸術"として昇華された瞬間でもありました。

シャルベの魅力は、クラシックに甘んじない美学にあります。
150年以上にわたって培われたアーカイブには、ドットやストライプ、ペイズリーやジャカードなど、まるで詩のように語りかけてくる無数のパターンが眠っています。
その徹底したものづくりの精神は、シャツのみに留まらず、ネクタイやカフリンクス、そして今回ご紹介するようなベルトにも、確かに受け継がれているのです。

伝統を編む──縄のように交錯した一本の造形美。
このベルトがただの“メッシュベルト”と呼ばれることを、きっとシャルベ自身も望まないでしょう。
しなやかに編み込まれた縄状のテクスチャは、どこか詩的な静けさを纏いながらも、職人の手を経た精緻なバランス感に満ちています。
その交錯の始まりと終わりには、滑らかなレザーのパーツ。
あたかも一篇の詩が、最初と最後の一行で美しく整うように、端正にまとめられています。

レザー部分は明るくも落ち着いたブラウン。
ほんのりと艶を帯び、メッシュの素材感とコントラストをなしながらも、不思議と調和しています。
その境界線は、素材が交わるというよりは、自然に溶け合うよう。
ベルト穴のない仕様は、体に寄り添いながら自在にフィット。
ファッションにリズムを与えるだけでなく、着る人の所作に、どこか上質な余裕をもたらします。

このベルトは、そんなシャルベの精神を静かに、しかし確かに宿しています。
一本のベルトを通して、あなたの装いに"フランスの記憶"がそっと寄り添う──
そんな日々のきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。


■size(cm)
全長81/幅3.9

■textile
Leather

■condition
レザー部分に使用感がございます。
その他は画像をご確認下さいませ。

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