2008年、"GUCCI(グッチ)"がリリースしたこのボンバージャケットは、フリーダ・ジャンニーニ女史の手によって設計されました。
カジュアルなシルエットの中に、ラグジュアリーと精緻を織り込む彼女の手腕が、確と意匠に顕れております。

グッチは1921年、グッチオ・グッチ氏によってフィレンツェで創業されました。創業当時は馬具製造と高級皮革製品の工房としてスタートし、その後、洗練されたイタリアンスタイルと比類なきクラフツマンシップを武器に、世界のメゾンへと成長してきました。

そして2006年から2015年の間、グッチのクリエイティブ・ディレクターを担っていたのがフリーダ・ジャンニーニ女史です。
フェンディでキャリアを積み、2002年にグッチへ参加後はアクセサリーデザイナーとして才能を発揮し、瞬く間にブランドの中心人物まで上りつめました。
彼女のスタイルは、明快でありながら詩的。
ジェンダーを超えた柔らかさと、イタリアンブランドらしい強さを見事に調和させています。

このボンバージャケットは、その象徴とも言える作品です。
素材には上質なコットンを使用しており、マットな質感と軽い着心地を両立しております。
無駄を省いたフロントのデザインには、ポケットの角度やステッチワークなど、ミリ単位で計算された美意識が光っております。
特筆すべきは非常に独特なパターニング。
ラグランのパターンは通常のそれとは異なり、後ろ身頃は円形を描く様な独自の構成となっております。
立ち顕れるのはミニマルさと、細やかな装飾性。
これまた特徴的な襟のリブ構成と合わせましても、普遍的でない意匠に、ジャンニーニ女史の非凡な才覚を感じ取っていただけることでしょう。

また、丈はやや短めに設定されており、レイヤードスタイルにも最適です。
裾と袖口にはリブが配され、適度なフィット感と機能美が共存しています。

このジャケットは、トレンドに左右されないスタイルを求める方にこそおすすめしたい逸品。
過剰な装飾ではなく、精緻なシルエットと素材の質で魅せるその姿勢には、ジャンニーニ女史ならではの知で芯のある美学が宿ります。

ストリートとモード、実用性とラグジュアリーの融合が加速し始めた時期に生まれた本品。
その潮流をグッチ流に解釈し、洗練された現代のミニマリズムを昇華させたのが、このジャケットの本質であると言えるでしょう。

時を超えてなお色褪せぬこの一着は、かつてのグッチが夢見た未来のよう。
フリーダ・ジャンニーニの手によって描かれたその輪郭は、今も記憶の中で優雅に踊り、着る人の感性にそっと寄り添いながら、"現在"を静かに照らしてくれます。

■size(cm)
表記サイズ:46
裄丈87.5/身幅54/着丈62

■textile
Shell:Cotton100%

■condition
目立った傷等なくグッドコンディションです。
その他は画像をご確認下さいませ。

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