かつてパリ左岸、セーヴル通り14番地に静かにその扉を構えていたメゾン、"ARNYS(アルニス)"。
1933年、ジャンケル・グランベールによって創設され、世紀を超えて"左岸のアルニス、右岸のエルメス"と並び称されるに至ったそのブランドは、上質な素材と詩的な仕立てにより、フランス紳士の美学を紡ぎ続けました。

庶民性と革新性、そして芸術性が交錯する左岸のエスプリを映し出すかの様に、アルニスはクラシックの枠を丁寧に崩しながら、重ねる独自の解釈。
ラペルの角度、ポケットの配置、シルエットの流れ━━その意匠全てに、どこか遊戯的な精神性を宿します。

アルニスでの王道にして名作たるテーラードの様式。
中でも本品が備える各所の設計は、同メゾンにおいて定番的立ち位置として愛されてきました。
ナチュラルショルダーから流れ落ちる程良い太さのアーム、開き見せの袖。
ゴージラインの低さが印象に残るフィッシュマウスラペルと、3Bの仕様。
ポケットに意識を向ければ、バルカポケットにスラントのチェンジポケット。
英国調の意匠に見事な調和を遂げるサイドベンツ━━
色を変え、生地を変え、美しいパターンの上で形作られるアルニスのプロダクトであるからこそ、
研究し尽くされ導き出された随所の様式は、テーラードジャケットの雛形の上で、一点の曇りのない完成度へと着地します。

アルニスらしい繊細な色使いが光る、フェードしたかの様な淡い紫の色。
上質なコットンシルクの柔らかな肌触りは、背抜き故により直に愉しんでいただけることでしょう。
袖をまくる愉しみを残した様な、並び付けの4つボタン。
発色の良いライニングをさりげなく見せていただくのも、アルニスの系譜に則った在り方かと存じます。

2012年、LVMHによってブランドの歴史に幕を閉じた幻のメゾン。
時間を超えて、国を超えて、今ここに蘇るアルニスの粋。
是非ともこの一着でご体感いただきたい所存です。

■size(cm)
肩幅46/身幅54.5/着丈75/袖丈64

■textile
Shell:Cotton × Silk

■model
176cm

■condition
左脇裏地にほつれがある他、左前見頃にほつれがございます。
全体的に着用感がございますがご着用いただく分には問題ございません。
その他は画像をご確認下さいませ。

発送まで4日程度頂戴いたします。

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※神経質な方のご購入はご遠慮ください。
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